【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
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2005/02/08(火) 追憶 ―つらい過去を抱きしめて―
 
明日プロポーズをしようと決めたのに、悪い夢を見た。
ぼくが結婚から逃げていたホントの理由がここにある!

◆1995年、夏。

「俺たち、大人になったら絶対結婚しよう」
「うん!ずっと離さないでね」
高校1年生の少年と少女は、永遠の愛を誓い合った。

「好きだ」と言えば、未来の全てが美しく見えた。
「結婚」とゆう言葉を口にすれば、永遠を夢見ることができた。
いま思えばあまりにも幼い・・・遥かな夏の日の約束。

ふたりは保育園時代からの幼なじみだった。
少女が経済的に恵まれた家庭に育ったのに対し、少年のほうはお世辞にも裕福とはいえない、どちらかとゆうと、貧しい家庭に育ったのだが、なぜか少年のそばにはいつも少女がいた。
中2の夏、少女のほうから告白したことにより、異性としての付き合いが始まった。
お互いの両親からも公認されていた仲で、恋の行く手を阻むものは何ひとつないはずだった。

◆1995年、秋。

少年の母親が家出をし、その3週間後には父親も帰宅しなくなった。
両親がそれぞれ新しい恋に走った挙げ句、少年はひとり家に取り残された。
少年からそのことを打ち明けられたとき、少女はまるで自分のことのように嘆き悲しんだが、それでも少年に対する思いが揺らぐことはなかった。

◆1995〜1996年、冬。

少年の家庭が崩壊した事実を少女の両親が知るところとなり、ふたりは引き離されていく。
少女に課せられた門限が極端に厳しくなり、別々の高校に通っていたふたりは、登下校時以外には会うことができなくなった。
休日の外出も親同伴でなければ許されなくなり、クリスマスどころか、冬休み中は一度も会えなかった。

さらに年明けからは、少年がCDショップでバイトを始めたため、下校時に同じ電車で帰れるのは彼のバイトがオフである水曜日だけとなった。
少女は親にウソをつき、文化系のクラブ活動を始めたので「毎週水曜日は帰りが遅くなる」とゆうことにした。
また、少女は少年の顔をひと目見るために、毎日CDショップに通った。
仕事中の少年と長く話すことはできないので、前夜綴った手紙を胸に抱き、彼に手渡すのが日課だった。
手紙には思うように会えない切なさやもどかしさ、ときには挫けそうになる少年を強く励ます文章が、涙の粒で綴られていた。
深夜まで働いている少年が返事を書くことはあまりなかったが、たまに書いてくれる「おまえが好きだ」の7文字が楽しみで、少女は毎日手紙を書き続けた。
高校生が当たり前のようにケータイを持つようになるのは、まだ何年もあとのことで、当時ポケベルが全盛期だったがふたりとも持っていなかった。

◆1996年、春。

少女の身体に大きな異変が・・・。
生理が止まり、母親に見抜かれた。
親の言い付けに背いて密会していたことも、エッチをしていたことも全部バレてしまった。
少年は少女の家に呼び出され、彼女の父親に頭や頬を思いきり殴られた。
当然のことながら、あらゆる罵声を浴びせ掛けられた。

大事な娘を傷モンにしやがって、どうしてくれるんだ!
まだ高校生のくせに、とんでもないガキだ!
親が親なら、その子もこのザマか!

少年はうな垂れ、ただ嵐が過ぎ去るのを待つ以外になかった。
が、それでも必死に食い下がった。

ぼくたち大人になったら、必ず結婚するって約束してたんです。
ぼくが学校をやめて働けば、やって行けると思います。
だから、赤ちゃんは堕ろさないで・・・お願いです!

そうゆうふうに言えば全て許してもらえると、ぼくらは考えていた。
しかし、現実は厳しく冷たかった。

生意気なことをぬかすな!
おまえみたいなヤツに、誰がかわいい娘をくれてやるもんか!
娘とは二度と会ってくれるな!

首根っこをつかまれて外に放り出された少年は、もはや取り付く島がないことを悟り、悔し涙を流しながら、夜が明けるまで絶望の淵を歩き続けた。

1週間後、少年のもとに少女から手紙が届いた。

 ◇ ◇ ◇ ◇

ゆうやくんへ・・・

2年8か月、付き合ってくれてありがとう。
ゆうやくんと一緒に過ごした毎日は、本当に楽しかったです。
今でもゆうやくんが大好きですが、もう会うことができなくなりました。
理解のない親でごめんなさい。
親に逆らうだけの勇気がなくてごめんなさい。
ゆうやくんだけを傷つけて、本当に申し訳ない思いでいっぱいです。

学校の先生になる夢、がんばってかなえてくださいね。
きっとゆうやくんなら、みんなから好かれる先生になれると思います。
そして、どうかしあわせになれますように。

あと、妊娠はしてなかったです。
昨日生理になったから、中絶させたとか、そうゆう心配はしないでね。

では、お元気で・・・さよなら。

江梨子より

 ◇ ◇ ◇ ◇

その後、ぼくはいくつか恋をしたけれど、江梨子ほど好きにはなれなかった。
いや、このときのように傷つくことが怖くて、好きにならなかったのかも知れない。
ただ逃げていただけかも・・・。

明日、ぼくはさやかにプロポーズをする!
昔つらい経験をしたからこそ、いま彼女に優しくできる。
そう信じている。
だから、今度こそ必ず!
 


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