【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
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2005/02/09(水) ぼくのお嫁さんになってくださいっ!―とにかく・・・マジでプロポーズ♪―
 
午前零時、ぼくの人生を大きく変える特別な日≠フスタートだ。
おおっ、いきなり彼女発Happy Birthday Mailが届く。

 ◇ ◇ ◇ ◇

お誕生日おめでとう!(v^-^v)
今日から25歳だね♪
少しだけお兄さんになってほしいです(…なんちって、冗談だよ〜)
これからもずっとずっと一緒にいようね(*^o^*)

 ◇ ◇ ◇ ◇

まあ、ノーテンキなことを言ってられるのも今のうちで、20時間後には感激の涙で溺れさせてやるから、クビを洗って待ってろ(…エヘヘ)

ぼくは極めて健やかに眠り、朝7時30分、彼女発の今度はGood Morning Callで快適に目覚める。

「おはよう!今日はお誕生日だね☆おめでとう」
「あんがと。つーか、もうちょっと寝かしてよ。10分後ぐらいにもう一回電話して・・・じゃあ」
いつも彼女に甘えていて、7時20分と30分の2回も電話をしてもらっているから、まだ20分だとばっかり思っていた。
「ダメ〜!もう7時半だからちゃんと起きなさいっ!遅刻しちゃうよ」
従順なぼくは命令口調で言われると、不思議なほど素直になれる(…笑)
「そうなの?なんか損した気分・・・」
ブツブツ言いながらも、すっくと起き上がる。

そして、いつものようにパンをかじりながら着替えをして、テキトーに歯を磨き、これまたビミョーに髪型を整える。
少しでも男前に見えるようにと心がけはするものの、夕方からは帽子をかぶるから、あまり意味がない。

それにしても、仕事場では見事なほど誰も何も言ってくれない。
今日はぼくの誕生日だとゆうのに・・・とゆうか、誰も知らないんだから仕方ない。
「俺さー、今日(or明日)誕生日なんだよね」
自分の誕生日を積極的にPRしてみたものの、冷酷にシカトされているオッサンたちを何人も見てきて、あまりに寒すぎると感じたから、ぼくは仕事場でそうゆうことを言わないことに決めている。
そんなこんなで、大して忙しくもないまま、無事に日が暮れ、夜の仕事(…危なそうかも?)も終了!

21時50分。
宅急便センターの駐車場から、ぼくは1本のメールを送信する。

 ◇ ◇ ◇ ◇

ゆうや発カエルメール
パーティの前に大事な話があるから、すぐ出かけられるようにしておいて!

 ◇ ◇ ◇ ◇

22時5分過ぎ、彼女の家に到着。
彼女は心配そうな顔をして、玄関先で待っていた。
「大事な話があるんだ。一緒に来てくれ」
「そんな真剣な顔して・・・どうしたの?何かあったの?」
いつもより数段凛々しいぼくの表情を見て、彼女はますます不安そうだ。
「ごめん。いまちょっと緊張してるんだ。この顔ならどう?」
ぼくは時価10億円は下らないと思われる飛びきりの笑顔で、彼女の顔を覗きこんだ。
「うん。安心した〜」
このときはKinkiの『もう君以外愛せない』がBGM・・・もちろんぼくの気持ち!

5〜6分ほど走ったところにある貿易港に着き、ぼくらはクルマを降りた。
オレンジ色のハーバーライトがいくつも並び、とてもキレイだ。
日中の最高気温が3月中旬並みまで上がったせいか、今夜は全然寒くない。
週末にはカップルを乗せたクルマが至るところで揺れている・・・いやいや、カップルのクルマで溢れかえっている恋のメッカ≠セけど、さすがに今日は水曜日。
ほかのクルマはほとんどいなくて、どことなく哀愁漂う(意味不明?)純愛路線のぼくらにはピッタリ!

岸壁に横付けされたパナマ船籍(外国の船はほとんどそうなの!)の貨物船が3隻、錨を下ろして眠りについている。
その横を通り抜けて、でっかい築港の先端へと、ぼくは彼女の手を引き足早にどんどん歩いてゆく。
途中でフィリピン人らしき船員数名に指笛で冷やかされたので、「ハ〜イ」と手を上げて応えたら、なぜか拍手喝采を浴びた(…意味わからん!)
映画のロケじゃねえんだ。
マジもマジ、とんでもなく大マジな人生のドラマの最中なんだぞ。

ぼくらは1q近くも無言で歩き、やっと小さな灯台のある築港の先端に着いた。
周りは真っ暗な海で、半径1q内にほかの人は誰もいない。
でも、ぼくらふたりは灯台が放つ強烈な明かりのおこぼれ≠フおかげで、一定の周期でスポットライトを浴びる映画スターみたい。
我ながら、すっげえカッコいい舞台!

「よっしゃ!ここにしよう」
ぼくは口元を引き締め、彼女のほうを振り向く。
彼女はぼくの魔法の瞳をじっと見つめ、ただ黙って立ちつくしている。
きっとこれから始まる愛の儀式≠ノ気づいているはず。

高鳴る鼓動を抑え、ついにぼくは声を出した。

「ずいぶん歩かせてゴメン。キミをここに連れてきたのは、俺らにとって、ちょ〜大切な話があるからなんだ」
「うんっ」
彼女は神妙な顔をして、深くうなずいた。

「一生に一回だけ、いまここでキミだけにしか言わないから、よ〜く聴いてほしい!」
「うんっ」
世界で一番かわいいキミが、ぼくの前にいて、ぼくの次の一言を待っている・・・。
運動会の駆けっこの前なんか、もう比べようがないほどのDokiDoki感!

少しだけ間をおき、ぼくは考え抜いてたどりついた平凡なプロポーズの言葉を告げる。

「ぼくのお嫁さんになってくださいっ!!」

彼女の瞳があっという間にウルウルになる。
またたくと、そのしずくが銀の星になり、いくつもいくつも流れ落ちる。
「はいっ!!」
彼女は涙に震える声で、しかしハッキリと答えてくれた。

「俺はさやかが大好きだ〜ッ!」
「さやかもゆうやくんが大好きっ!ずっとそばにいるからね」
ぼくは彼女をギューッと抱きしめ、この魂が朽ち果てるまで続く永遠の愛をここに誓う。

永遠≠ネんて実際にはありえない。
けれども、永遠≠ニは信じること≠カゃないかなあと思う。
ぼくはさやかへの愛を貫き、そのことを証明するんだ!
 


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