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2005/04/01(金)
刺激がほしけりゃ・・・バカになれ♪〓前編〓
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昼間仕事をしているカーパーツの販社に、亀井(仮名)さんとゆう男子社員が転勤してきた。 亀井さんは、社内でもトップクラスの営業成績を収めている優秀な営業マン≠セ。 ここ何年間も不振が続いている営業所のエースと期待されている。
年齢は27歳でぼくより2つ年上。 身長182センチ、体重は不明だが太っても痩せてもない・・・中肉? 極細眉毛のイカツイ顔にナニワ金融メガネ(金縁に角度のついた細いレンズのメガネ)をかけ、髪はオールバックでビシッと決めている。
チビで痩せていて、高校生に毛が生えたカンジのぼくと比べると、まるで正反対。 並んで立つと、大人と子どもみたいだ。 (どうでもいいことだけど、ぼくはヒゲとか体毛が薄いほうです・・・念のため!) 見るからに何とゆうか、はっきり言って「お友だちになりたくない」タイプである。 もっとゆうと、街で見かけたら、避けて通りたい人種に違いない。
さて、その亀井さんはこちらに来たばっかりで、当然ながら地理がわからない。 先月、前任者と引継ぎしたけれど、たった2日間クルマで走っただけでは、あまりにも不十分だ。 そこで、所長から指示が出された。 「カメ〜、今日は初日やけん配達に同行せいや!ゆうや、頼んだで!」 「あっ・・・はい・・・」 ぼくは返事をしたものの、ありがたくない指示にモジモジしていた。
すると、亀井さんが、 「じゃあ、よろしくな!」 と言って、ぼくの肩をギュッと抱いてきた。 (えーっ?マジ?あんた体育会系かよ!) コワモテの亀井さんに対して、まさかそんなことは言えるはずもなく・・・。 「こちらこそ、よろしくお願いします」 心とは裏腹に、実にさわやかに挨拶してしまった。
そんなこんなで、ぼくと亀井さんの珍道中が始まった。
亀井さんはヘビースモーカーで、喘息患者のぼくの横でタバコをスパスパ。 安全運転をして黄色信号で減速しようものなら、 「いまのタイミングなら突っこめよ」 とゆうが早いか、ぼくの頭をぽこん!
「いや、無理です」 勇気を出してキッパリ言い切ると、 「坊や、俺に口答えするんか?」 と言って、また頭をぽこん! 今日一日で頭を何回叩かれたか・・・あまり痛くはないけど、数えきれない。
さらには、歩道をゆく若い女の子を見かけたら、 「ゆっくり走れ!もっともっと!」 顔やスタイルを見て品定めをするために、突如減速を命じたりもする。
「ひでえブス。タダでもいらんわ」 「おっ、かわいい。こうゆう女をヒイヒイ言わしたいなあ」 「めっちゃナイスバディーやん。ひん剥いて舐めまくりてー!」 隣で運転している自分が恥ずかしかった。
亀井さんは、ぼくがノーリアクションで黙っているのが気に入らないようで、 「ゆうやもやりたいやろ?な?な?」 と、いちいち返事を求めてくる。 (あー、うざってえ) そんなことを言ったら、マジで殴られそうな雰囲気。 「いや、別に・・・」 ダルそうに答えるのが、ぼくの精一杯の反抗だ。
しかし、それがまた気に食わないらしい。 「おまえ、それでも男なんか?」 亀井さんは右手を伸ばし、また頭を叩くのかと思ったらフェイントで、ぼくの男の子自身をムギュ! これが、まともにつかまれたから痛くて、痛くて・・・。 「いてえ!何すんだよっ!」 ぼくはさすがにキレてしまった。
「安心した。おまえにもいちおう付いてたんだなあ」 「・・・・・・・・・」 「おや、怒ってんの?せっかく友だちんこ≠ノなれたのに・・・わはは」 優秀な社員かどうか知ったことじゃないけど、古いギャグを繰り出したりして、いい気なもんだ。 「・・・・・・・・・」 ぼくはもうマジで腹が立ったから、その後何を話しかけられてもシカトしてやった。
そうやってしばらくすると、向こうから折れてきた。 「なあ、ゆうや。頼むからさー、話し相手になってくれよ」 「イヤです!」 「んなことゆうなよ。なあ、頼む」 「じゃあ、約束してください。さっきみたいなことは絶対に言わないって、約束してくれたら考えます」 ぼくは社員じゃないけど、この先一緒に仕事をする亀井さんと気まずくなるのもマズイと思い、譲歩案を出した。 「わかった。おまえの前では二度とワイ談しないよ」 亀井さんはあっさりと要求を呑んでくれた。
「それと、ぼく、来月結婚することになってるから・・・」 小声でさりげなく付け加えておいた。 「マジ?おめでと〜!もうちょっとしたら毎晩ヤリたい放題じゃん。いいね〜、いいね〜」 (はぁ・・・またそれをゆう)
そして、亀井さんの口から、ぼくをびっくり仰天させる話が飛び出したのは、昼食のときだった。
≪続く≫
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