【青春交差点】
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
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愛情物語7☆母親の証明
ぼくはもうひとつ、伝えておきたい言葉を口にした。
「高3のとき、ぼくが不幸になったのは全部母ちゃんのせいだって言ったことがあったでしょ?ひどいことを言ってゴメンなさい」
母ちゃんはどう思っているのか、どうしても知りたかった。
「ホントのことだから、聞いたときはつらかったよ。でも、一生懸命変わるまいとがんばっているゆうくんに、変わってしまったと言ったんだから、ウチのほうこそゴメンね。もしかして、ずっと気にしてたの?」
「うん」
「優しい子だねえ。先に謝ってあげれば良かった。気が利かなくてゴメンね・・・」
母ちゃんが目を真っ赤にしている顔が浮かぶ。
ずっと胸につかえていた言葉を吐き出すことができて、ぼくは晴れ晴れとした気持ちになった。
「ねえねえ、ぼくのお嫁さんがどんな子か、聞きたい?」
ずいぶん湿っぽくなってしまった雰囲気を変えてみることにした。
「二人の馴れ初めから教えてほしいな」
「えーっとねえ、出会ったのは去年の9月。ひどい発作が起きて入院して、目覚めたときにその子がいたんだ・・・」
そこから延々と続く惚気話を、母ちゃんは飽きもせず、時に驚き、時に感心しながら聞いてくれた。
そういえば、母ちゃんには家で帰りを待ってくれている人がいる。
なごり惜しいけど、いつまでも電話で話しているワケにはいかない。
「今日はこれぐらいで勘弁してあげるよ」
「そうだね。続きはまた今度。ゆうくんが選んだ子だからゼッタイ大丈夫。甘えん坊さんを安心して任せられるね」
彼女を見たこともないくせに、ぼくの話を聞いただけですっかり安心している母ちゃんがおかしかった。
「エヘヘヘ・・・それほどでも〜」
ここは照れ笑いで逃げておくに限る。
電話の最後で、母ちゃんはこう言った。
「ゆうくんのためにずっと続けてきたことがあるんだよ。いつかゆうくんが結婚するときにプレゼントしようと思ってね」
そう言われると気になるものだ。
「なになに?教えて〜!」
「いまは教えない。明日送ってあげるから、着いたときのお楽しみ・・・」
「えーっ!ズルいぞ。いま教えてよ!」
「ゼッタイ教えない。じゃあね」
母ちゃんの決意が固そうだったので、ぼくはあっさり後日の楽しみにとっておくことにした。
「チョー気になるけど・・・まいっか。じゃあ、おやすみ」
「おやすみ。またね」
「うん。バイバ〜イ」
その晩、ぼくは布団に入ってから、もう一度つぶやいた。
「母ちゃん、ぼくを生んでくれてありがとう!」
「母ちゃんがぼくを生んでくれたからこそ、さやかと出会うことができたんだ・・・」
≪とりあえず・・・完≫
◇ ◇ ◇ ◇
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