【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
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2005/04/28(木) 逆転勝訴!―ピンク優待券疑惑―
 
今日は夜のバイトが休みだった。
昼間のバイトを終え、会社の近くの本屋をうろついていたら、ケータイにメールが入ってきた。
彼女からのメールかと思ったら、彼女の母ちゃんからのメールだった。

 * * * *
さやかは夜勤でいないけど、晩ご飯用意してるから、帰りにおいで!
 * * * *

こうゆうのは婚約してから度々あることで、別に珍しいことじゃない。

「ラッキー!持つべきは優しい母ちゃんだよなあ」
ぼくはそんなのん気なことを考えていた。

 ◇ ◇ ◇ ◇

お風呂から出て、居間でテレビを見ながら晩ご飯をご馳走になっていると、母ちゃんの様子がおかしい。
いつもの笑顔じゃない。
わずかながら厳しい・・・かげりが見える。
どうしたんだろう?

「ゆうやくん、さっき洗濯物のワイシャツの胸ポケットから、こんなモノが出てきたんだけど」
彼女の母ちゃんは、テーブルの上に名刺大の優待券≠置いた。

 * * * *
優良会員様★特別ご優待券

次回ご来店時に本券を提示いただくと、サービス料と指名料が半額でOK!
ただし、17時より19時までにご来店された方のみ。

プリンクラブ(仮称)
 * * * *

ピンクの下地に淡いブルーの文字。
イメクラとまではわからないまでも、明らかにフーゾク店の優待券・・・やばいモノを見られてしまった!
さっさと捨てておけばよかった!

「あーっ!それ・・・ちがうんだ!」
まったく無実の罪なのに、ぼくはかなり狼狽した。
「なにがちがうの?これがどうゆう店なのか、わたしにだってわかるんだからね」
母ちゃんの声がビミョーに疑っているのがわかる。

「ぼくじゃないって!」
「ホントに?」
「ホントにホント!ぼくはそうゆうとこにはゼッタイ行かないんだよ〜。信じて!」
「まさかゆうやくんが・・・とは思ったけど。ちゃんと説明できる?」

ぼくは母ちゃんに事件の真相を説明した。
この優待券は、昼休みに会社のエロオヤジが、ぼくの軽トラの中にこっそり置いたものだ。
これを見つけたぼくがどうゆうリアクションをするか、楽しみにしていたらしい。
もちろんぼくは強硬に抗議した。
「こんなところには興味ないし、彼女に見られでもしたら大変な騒ぎになるから、こんなイタズラはやめてください」と。
エロオヤジは二度とイタズラしないと約束してくれた。

「わかったよ。でもねえ、どうしてそのときに捨てなかったの?」
いたたたっ・・・母ちゃんはかなり痛いところを突いてきた。
「それはそうなんだけど・・・どうゆうわけかポケットに入れちゃって・・・エヘヘヘ。ゴメンなさいっ」
ホントは『イタズラ★タズラ』とゆうタイトルで日記のネタにしようと思っただけだったが、そのことは言わないでおくことにした。

母ちゃんはぼくの目をずっと見ていた。
そして、笑いながらこう言ってくれた。
「ゆうやくんは純情そうに見えるから、ほんとトクな子だねえ」
ぼくの照れ笑いがあまりにも効果満点で、母ちゃんのハートを揺さぶったのだろうか?
そんなことは聞けないけど。

「純情そうに見える・・・じゃなくて、マジで純情なの!」
冤罪が晴れた嬉しさで、ぼくはすかさずトドメの意味で自己PRをしておいた。

すると、母ちゃんが世にも恐ろしいことを言った。
「でも、もしさやかが見てたら・・・そんな笑顔じゃいられなかったねえ」
「それは・・・はい・・・」
ぼくは恐怖の修羅場を思い浮かべ、神妙な顔をしてうなだれた。

母ちゃんはぼくの様子を見て微笑みながら、テーブルの上にあったピンク優待権を手に取った。
そして、細かくちぎり、ゴミ箱に捨てた。

見られたのが、母ちゃんでよかった〜っ!

 ◇ ◇ ◇ ◇

今日は、こんなくだらない事件がありました。

どうゆう理由であれ、ぼくがピンク優待権を持っていたことを知ったら、彼女は平気じゃいられない子です。
そんなところも大好きなんだけど・・・。

せっかく気品溢れる日記を書いたのに、締めは惚気で・・・ゴメンなさい(…エヘヘ)
 


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