【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2005年4月
前の月 次の月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新の絵日記ダイジェスト
2006/05/28 チョー重大なお知らせ
2006/05/27 しまなみ海道5 ―楠の神木―
2006/05/26 しまなみ海道4 ―台海岸―
2006/05/25 しまなみ海道3 ―しあわせの鐘―
2006/05/24 しまなみ海道2 ―多々羅大橋―

直接移動: 20065 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 月 

2005/04/08(金) 愛情物語2☆ハシタ金
 
母ちゃんに電話をしようと思い立ったぼくが、母ちゃんとの悲しい思い出をたどっているところです。

第1話を読んでない人は、こっちを先に読んでくださいねっ!

愛情物語1☆裏切られた思い
http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=4&D=7

ではでは、第2話スタートです♪


 ◇ ◇ ◇ ◇


ある日・・・。
高校卒業後の進路について、電話で話をしていたときのこと。

「いまのままバイトを続けるよ。そのほうが気楽でいいでしょ」
と、ぼくはひどく投げやりな言い方をしてしまった。
心配した母ちゃんが、
「えっ?ゆうくんは大学を卒業したら、学校の先生になるんじゃなかったの?」
と、慌てて聞き返してきた。

「あのね〜、入学金はどーすんの?それに学費だって年間50万円以上かかるんだよ」
「大学って、そんなにお金がかかるの?」
悲しいことに母ちゃんは、そんなことも知らなかった。
「知らねーの?ぼくのバイト代だけじゃ無理なの!無理!」
ぼくは中卒の母ちゃんをバカにするように言った。

「ウチも少しだけど毎月仕送りするから、もう一回考え直したらどう?」
かなり遠慮気味に母ちゃんが言った。
「いくら送ってくれるの?」
「うーん、毎月3千円か5千円ぐらいなら何とか・・・」
これを聞いて、ぼくは呆れてしまった。


ちょうどこの頃のぼくは、ハードな毎日を送っていた。
早朝は新聞配達をして、昼間はマジメに学校に行き、夕方からはCDショップで深夜まで働いていた。
平日は勉強などそっちのけで、一生懸命に働いても、バイト代は毎月11万円前後。
その中から1DKのぼろアパートの家賃と公共料金を支払い、さらに県立高校の授業料と通学電車の定期代が必要だった。
ぼくの手元に残るお金は、せいぜい3〜4万円。
好きなアーティストのCDやカッコいい服もほしかったし、たまには女の子と映画も観に行きたい。
そうすると、給料日の数日前に食費が乏しくなり、1日にカップラーメン1個だけしか食べない日が続いたりもした。

こんなふうに高校でさえ必死で通っているとゆうのに、これ以上お金のかかる大学だなんて、とんでもない話だった。
まして、親からの援助が期待できない状況にあっては、なおさらのことだ。
奨学金とゆう方法もあったが、昔からぼくは借金がキライで、いまもクレジットカードを1枚も持っていない。


3千円から5千円ぐらいなら毎月仕送りするとゆう母ちゃんを、
「そんなハシタ金じゃ、どーにもなんねーんだよ!」
と、ぼくは鼻で笑った。
「・・・・・・」
母ちゃんは黙っていた。

「もう心配しなくていいから。じゃあ、切るよ」
電話を切ろうとするぼくに向かって、
「ゆうくん、ずいぶん乱暴な話し方するようになったねえ」
母ちゃんが淋しそうにつぶやいた。

ぼくは心の中では申し訳ないと思っていた。
それなのに、とんでもないことを言ってしまった。
「誰のせいでこうなったんだよ!?全部母ちゃんのせいじゃないかっ!」
そうゆうと、ぼくは一方的に電話を切った。

電話を切ったあと、ぼくはまるで子どものように声をあげて泣いた。
ぼくの変わりように驚いて、たぶん母ちゃんも泣いていたのだろう。

このあと、ぼくは母ちゃんと何度も電話で話をしたけど、このとき暴言してしまったことを謝っていない。
何度か謝ろうと思ったけど、ずっと謝れずにいる。
母ちゃんは、このことについては一切触れないままだ。


 ◇ ◇ ◇ ◇


今日ぼくが母ちゃんに電話をしたのは、さやかとの結婚を報告するためだ。
ついでに、もう何年も前のことだけど、このときのことを謝っておきたい。

そして・・・
「ぼくを生んでくれてありがとう!」
・・・とゆう感謝の言葉を伝えたい。


≪続く≫


 ◇ ◇ ◇ ◇


【関連記事】

何度も夢に出てくる場面です(ToT)
まだ読んでいない人はぜひ・・・泣いてやってください。

記憶の中の母ちゃん
http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2004&M=12&D=7
 


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.