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2005/05/11(水)
平家伝説☆浪漫飛行4 〓山の思い出〓
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軍艦岩が間近に見えるドライブインで食事を済ませたぼくらは、R33をさらに南へと進んだ。 いつしか軽トラは美川地区を過ぎ、高知県境に接する柳谷(やなだに)地区へ入る。
夢の銀幕で見た平家伝説に吸い寄せられるように、ぼくらは一路、吾川(あがわ)村へ。
それにしても、久万高原町はでっかい! 行けども行けども岩手県(…ん?)・・・ってなカンジで、でかすぎる! 2004年8月、上浮穴(かみうけな)郡の旧4町村(久万町・美川村・面河村・柳谷村)が合併して誕生した町だけのことはある(…さすがっ!)
ぼくは去年の1月から3月まで、宅急便の仕事で上浮穴郡内を隅々まで走り回った。 そのときに経験した出来事や、親切にしてくれた人たちのことを彼女に聞かせた。
◇ ◇ ◇ ◇
膝下まで積もった大雪の中、チェーンを巻いて走っていて、それでも軽トラの腹がつかえて動けなくなったとき、農家のジイちゃんがミニショベルカーを出してきて助けてくれた。
大雪が降り積もった月夜の晩、恐るおそる木立の中を走って山の頂に出たとき、あまりにも美しい一面の銀世界に心を奪われたぼくはクルマを降り、寒さを忘れてその場にジッと立ち尽くした。
軽四でも通れないケモノ道を重さ20キロのお米を担ぎ、500メートルもある坂道を歩いて届けたときには、オシッコ漏れそうで泣きたくなった。
そして、そこのバアちゃんから「ご苦労さん」と缶ジュースをもらったはいいが、すっかり飲み干してしまってから、缶の底がボロボロに錆びついていることに気づき、目の前が真っ白になった。
1万6千円ほどの代金引換の荷物を持っていったら、1万円札を2枚差し出して、「お釣りはボク(=坊や)にあげるけん、小遣いにしーや」と言い、見知らぬぼくにお年玉をくれた肝っ玉バアちゃんがいた。
ぼくが間違って配達した荷物を、わざわざ正しい受取人のところまで届けてくれたオジさんもいた。
庭先に見慣れない物体が何個も転がっていて、「なんだろう?」と思い近づいてみると、それがイノシシの頭だとわかり、思わず卒倒してしまいそうになった。
ずっと人を疑うことを知らなかったバアちゃんが「おれおれ詐欺」の被害に遭い、かわいそうなことに、バアちゃんはそれから人が信じられなくなってしまった。
まだ1年前のことなのに、こんなにも懐かしい。
山の人はみんないい人≠ホかりだった。
◇ ◇ ◇ ◇
仁淀川(によどがわ)にかかる美しいダム湖を右手に見ながら、しばらく上り坂を走り続けると、やっと県境を越え、高知県に入る。 そして、いきなりそこが吾川村! ジイちゃんの故郷・・・今回のドライブの目的地だ。
ちなみに、さっき見た軍艦岩のところで、久万川と面河川が合流してできたのが仁淀川である。
ぼくは、人口湖の中でもひと際大きな大渡(おおど)ダムの湖畔にクルマを停める。 地図を開き、吾川村桜地区の場所を確認するためだ。 すぐ近くかと思ったら、まだ15キロ近くもありそう・・・。 この時点で、自宅からの走行距離は既に75キロ。 ぼくは軽トラの狭い空間に慣れているからいいけど、彼女はさぞ疲れたんじゃないかと、ふと気になったりもする。
「やっぱ遠いよなあ・・・。疲れたか?」 「ううん。ゆうやくんが話してる横顔見てるだけで嬉しくて・・・全然平気だよ」 「マジっすか?」 「マジっすよ!」 彼女がぼくの口ぐせをマネしやがる(…笑) 「じゃあ、行くか!」 「うんっ♪」
さあ、ぼくらを乗せた軽トラは再び走り始める。
≪続く≫
▼続きはココ 第5話◆桜坂 http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=5&D=17
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第1話◆五色浜伝説 http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=5&D=3 第2話◆桜伝説 http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=5&D=4 第3話◆軍艦岩 http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=5&D=10
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[イメージ画像]は 大渡(おおど)ダム! ケータイ横向きで・・・ ▼さーさークリック▼
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