【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2005年5月
前の月 次の月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新の絵日記ダイジェスト
2006/05/28 チョー重大なお知らせ
2006/05/27 しまなみ海道5 ―楠の神木―
2006/05/26 しまなみ海道4 ―台海岸―
2006/05/25 しまなみ海道3 ―しあわせの鐘―
2006/05/24 しまなみ海道2 ―多々羅大橋―

直接移動: 20065 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 月 

2005/05/12(木) 床屋の風景 ―鏡の中のぼく―
 
結婚式まであと10日・・・。

「そろそろ散髪しとこうか」ってことで、きょう夕方、行きつけの床屋さんに行ってきた。
ホントは次の日曜日に予約してあったけど、なんとなく休みの時間がもったいないような気がして、急きょ変更してもらったのだ。

そういえば、ぼくは自分の髪型について深く考えたことがない。
髪が短くて立つうちは、かなり爆発していて、伸びてきたら自然にカッパ頭になって・・・。
中学生の頃からそんな繰り返しだ。

極端に寝相が悪いぼくは、起きたときについている髪の寝グセも素晴らしい。
朝シャンしないと、とても人に見せられるようなザマじゃないんだ・・・これが。

まだ母ちゃんがいた頃には、母ちゃんがシャンプーしてくれて、乾かしてくれて、髪形を整えてくれていた。
「大きくなったのに手間がかかる子や」とか、「困ったちゃんやね」とか言いながら、それでもホントはうれしそうに・・・。

そんな・・・ちょ〜甘えん坊のぼくが、いよいよ10日後には結婚!
まだ信じられない。

 ◇ ◇ ◇ ◇

「よっ!いらっしゃい」
「こんにちは」
理容師さんに促され、ぼくは大きな鏡の前のイスに腰掛ける。

「いつも通りでエエんか?」
「あ、はい。でも、なるべくなら、いつもよりカッコよく見えるようにしてもらいたいです」
まあ、これがマジな希望ってやつだ。

「おお〜っ、さては・・・なにか特別なことがあるんやな?」
同じ中学の先輩(5歳上)でもあるこの理容師は、去年結婚したばかりのまだ新婚さんだ。

「先輩には言ってなかったんですけど・・・。22日、ぼくの結婚式なんですよ。だから・・・」
ぼくが照れながらそうゆうと、
「ホントか?!おめでとう!!なあ、ゆうやの嫁さん、かわいいの?今度来るとき、連れてこいよ」
先輩の声が弾んでいるから、きっと心から喜んでくれているのだろう。

隣の席でほかの人の髪をカットしていた先輩の奥さんも、鏡の中での会話に加わる。
「エーッ!ゆうやくん、結婚するの?おめでとお!でも、ありえないカンジ」
左斜め45度の角度から、ジッとぼくの顔を見つめる。
「どうしてですか?」
照れ屋のぼくに奥さんの視線は眩しくて、いきなり目をそらす。

「だって、ウチの目には、ゆうやくんが高校生ぐらいにしか見えんのよね〜」
もう25歳にもなるんだから高校生≠カゃなく、せめて学生≠ニ言ってくれたらなあ(…希望的要求?)
「またそれをゆう・・・。これでも立派な大人こども≠ナすよ!」
ぼくはアヒル口をとがらせ、ビミョーに不満な意思表示をする(…笑)
「あはは・・・。なにそれ?要するに、まだ子どものつもりなんやろ?」
先輩の奥さんがゆうことは、外れてなくもない。

「はい・・・まあ・・・。でも、大人と子どもの中間みたいな人種ですよ」
「ふ〜ん、そうゆう言い方もあるんやね・・・」
奥さんに正確な意味が伝わったかどうか、それは自信がないけど(…笑)

 ◇ ◇ ◇ ◇

先輩はぼくにカットクロスを掛け、両手にそれぞれハサミとクシを持って身構える。
昔はズッコケ珍走団、いまは茶髪メッシュでカリスマじゃない普通の理容師が、戦闘体制を整えたようだ。

「さあ、切るで!」
「はい」
「今回は責任重大やなあ」
「ゼッタイ男前にしてくださいよ〜っ」
「よっしゃ!俺に任せとけ!!」

で、安心して任せた結果がどうだったのか・・・。

鏡の中のぼくは、いつもより凛々しく見える。
爆風にさらされたような乱れ髪セットのせいか、キリッとなった眉毛のせいなのか。
外見の変化は、その大きな要因なのだろう。

けれども、きっとそれだけじゃない。

妻をめとる者の覚悟!決意!
そして、溢れるほどに勇敢な愛情!
それらがスクランブル交差点方式に行き交い、責任感とゆう雰囲気をかもし出しているんだ。

まあ、床屋での考察はこれぐらいにしておこう。

世界中の女の子から「なにそれ?」と言われても、たったひとりの女の子から「カッコいい」と言ってもらえたら、ぼくはそれでいいんだから。
 


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.