【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
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2005/05/03(火) 平家伝説☆浪漫飛行 〓五色浜伝説〓
 
最初にお断わりをしておきますが、この話は創作童話です!
いちおう歴史的背景に基づいて書いてはいるけど、多少デタラメ気味なので、その点はご理解くださいねっ♪
いつものように、エヘヘヘ・・・とゴマかそっ!
でも、どうかマジメに読んでやってください(…笑)


 ◇ ◇ ◇ ◇


愛媛県伊予市には「五色浜(ごしきはま)」と呼ばれる海岸がある。
そこには、普通の石ころに混じり、五色に染められた小石が無数に散りばめられている。
かわいい五色の石は、なぜこの浜にだけ現われたのだろうか?

うっすら白く霞みがかかった春の夢の銀幕で、ぼくは彼女と一緒にタイムマシーンに乗った。


 ◇ ◇ ◇ ◇


時は1184年2月。
平家は一の谷の合戦で、断崖絶壁を馬で駆け下りるとゆう、源氏の奇襲戦法の前に破れた。
神戸を追われた平家は、四国高松の屋島へと本拠を移し、捲土重来を期す。
しかし、源氏方へと大きく傾いた時代のすう勢を押し戻すまでには至らず。
翌1185年2月。
源平両軍が激闘の末、屋島での戦いにも敗れた平家は、壇ノ浦(山口県)へと逃げ延びることになる。

源氏にとっては、憎き平家一門を滅ぼす絶好の機会。
瀬戸内海での平家追撃戦は一層し烈を極めた。

平家軍の船団の中には、六人の幼い姫と一人の男の子を乗せた船があった。
双方入り乱れて戦ううち、姫たちを乗せた船は味方の船と衝突し、不運にも中破してしまう。
すぐにも船が沈む心配はなかったが、操舵することができなくなったのは大きな痛手だった。
見る見るうちに、平家の本体から引き離されてゆく。

源氏の追撃は容赦なく、これといって戦いの装備を備えていない姫たちの船も例外ではなかった。
船が漂流を始めた翌朝、1隻の源氏の軍船が近づいてきた。

「将来のある姫様、坊までも皆殺しに殺されてしまう!」
そう感じた老指揮官とわずかに生き残った3人の兵士は、機転を利かし、姫と坊を船倉にある大きな米びつに隠した。

「船がこのまま流されてゆけば、一昼夜のうちに伊予の国あたりに流れ着くはずです」
「ジイや、助かるかも知れぬのか?」
「このジイが必ずお助けしてみせます」
「本当なのか?」
「はい。それゆえ、船が陸地に乗り上げたことがわかるまで、ここから絶対に出てはいけませぬぞ」

7人の子どもたちは、無邪気にはしゃぎ回り喜んだ。
彼らは、源氏の追手がすぐそこまで来ていることなど知らない。
老指揮官が胸に秘めた決意など、そのときには知る由もなかった。

子どもたちの姿を脳裏に焼き付けた老指揮官は、傷ついた3人の兵士を引き連れ、平家一族の誇りを一身に背負い甲板に立つ。
「源氏の者ども、よく聴け!我こそは平春義!平家一門の心意気、とくとご覧あれ!」
名乗りを上げたジイは右手に日本刀の柄を持ち、刃を自らの首の後ろに当てる。
そして、左手には刃先をしっかりと握り、甲板にひざまずく。

「平家は滅びぬ!」
ジイは短い言葉を叫び、前のめりに勢いよく甲板に倒れこむ。
とたんに鮮血が噴き出し、ジイの首が甲板に転がった。

指揮官の壮烈な最期を見届けた兵士3名も、それぞれ刀で喉を掻き切り、心の臓を突き刺し、あるいは腹を深くえぐり、勇敢に最後を遂げた。
敵ながら彼らの潔さに敬服した源氏軍は、あえて船内の捜索をしなかった。
彼らの遺体を自分たちの船に運び入れ、帰路の際、小豆島に立ち寄り手厚く葬ったとゆう。
ジイらの命がけの自害が功を奏し、姫と坊は助かったのだ。

子どもたちを乗せた船はジイの言葉どおり、翌日の夕刻、伊予市の海岸に漂着した。
みんなで励ましあいながら空腹に耐え、約束を守りきった子どもたちは、日が沈むのを待ち甲板に出た。
しかし、優しかったジイと兵士の姿がどこにもない!
彼らは事情が飲み込めなかったが、戦乱の世に育った彼らのことだ。
間もなくジイらが死んだことを悟り、涙が涸れるまで嘆き悲しんだ。

翌朝早く、地元の漁師が浜に乗り上げた船を発見した。
大きな軍船が流れ着いたとゆうことで、当初人々は恐れおののいた。
が、船に乗っているのがまだ幼い少年少女ばかりだとわかると、たちまち大勢の人が船のところにやってきて、子どもたちを助け出し、陸に上げた。
子どもたちは親切な人のもとへと引き取られ、ひっそりと・・・しあわせに暮らすことになる。


 ◇ ◇ ◇ ◇


だが、このしあわせが長く続くことはなかった。
その1年後、平家の姫と坊が伊予で生き延びているとゆう噂が源氏方にまで伝わると、付近一帯の捜索が開始された。
このことを察知した五人の少女は、1年前みんなが流れ着いた浜辺に集まった。

「わたしたちを匿っていることがバレたら、里親になってくれた人たちも一緒に殺されてしまうんじゃないかなあ・・・」
「親切な人たちに迷惑を掛けてはいけない」
「無理やり源氏の人のお嫁さんにされるのはイヤだ・・・」

少女らは世をはかなんだ。
生きてゆくことに絶望し、平家の姫として生まれてきた運命を悲しんだ。
そして、みんなで手を取り合い、夕陽で金色に染まる海へ身を投げたのだった。


 ◇ ◇ ◇ ◇


その後、5人の姫の魂はかわいらしい五色の小石と化し、この浜辺に現われた。
「どうか姫様たちが生き返ってくださいますように」
地元の人々は五色の小石を胸に抱き、海に向かって毎夕祈りを捧げた。

すると!
ある日、水平線の彼方からまばゆい光に包まれて、五人の姫がよみがえってきたとゆう。
普通の子として生まれ変わった姫たちは、地元の人々に優しく見守られながら、ささやかでしあわせな人生を送ったそうだ。

「この浜に来て五色の石を集め、願いごとをすれば叶えられる」
そうゆう言い伝えが現在もなお伝承されている。
これが【五色浜伝説】なのだ。


≪続く≫


▼続き▼
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