【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2005年6月
前の月 次の月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
最新の絵日記ダイジェスト
2006/05/28 チョー重大なお知らせ
2006/05/27 しまなみ海道5 ―楠の神木―
2006/05/26 しまなみ海道4 ―台海岸―
2006/05/25 しまなみ海道3 ―しあわせの鐘―
2006/05/24 しまなみ海道2 ―多々羅大橋―

直接移動: 20065 4 3 2 1 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 9 8 7 6 5 月 

2005/06/21(火) 時間旅行7 〓父ちゃんの歩んだ道〓
 
ぼくの父ちゃんが歩んだ道を振り返ってみようと思う。


 ◇ ◇ ◇ ◇


父ちゃんはまだ1歳だった頃、実の父親(ぼくにとっては祖父にあたる人)を交通事故で失った。
2年後、母親(ぼくの祖母)は農家の男性と再婚をした。
弟2人と妹1人が次々に生まれ、父ちゃんは母親にかまってもらえなくなった。
はじめのうち優しかったはずの新しい父親は、手のひらを返すように冷たくなり、父ちゃんは次第に家での居場所を失ってゆく・・・。

小学生だとゆうのに学校を休まされ、ミカン畑で働かされることもたびたびだった。
父親の指図で朝夕のおかずにも差をつけられ、「ぼくもそれが食べたい」とゆうと容赦なくビンタが飛んできた。
野良仕事のあと、好きでもない父親の肩や腰を延々とマッサージさせられ、疲れ果てて「もうええかな?」と聞くと、肋骨にヒビが入るほど蹴られたこともあった。
とにかく、ちょっとでも気に食わないことがあると殴られ、蹴られ、家から叩き出された。
雪がちらつく寒い夜、納屋でひと晩を過ごしたこともあるとゆう。

父ちゃんにとって唯一の楽しみは、父親が農協の会合とかで飲みに出た夜だった。
そのときばかりは、母親や兄弟と同じように食事をして、みんなでテレビを見ることができた。
しかし、父親が飲んだくれて帰ってきたら、またイジメの時間が始まるのだ。
「疫病神!」
「できそこない!」
父親の前に正座をさせられ、大きな声で罵られた。
脚が痛くなってモジモジしていると、思いきり突き飛ばされテーブルの角に頭を打ちつけた。
笑えば笑ったで殴られ、あまりに悔しくて涙を見せると、また殴られた。

父ちゃんが笑顔でいられるのは父親が飲みに出ている間と、学校に行っている間だけ。
ほんのわずかな時間しかなかった。

そして、父ちゃんが小学6年生になった春、父親がでっかい家を建てた。
「おまえだけの部屋もつくってやるけん、ちゃんと仕事を手伝え!」
父ちゃんは父親の言葉を信じて虐待に耐え、一生懸命働き、学校へも行った。

だが、新しい家の引き渡しの日、弟と妹たちはそれぞれの部屋を与えられて喜んでいるとゆうのに、父ちゃんの部屋だけがなかった。
「ぼくの部屋はどこ?」
不安になって聞いた。
「納屋でええやろ!おまえは今晩からあっちで寝ることにせいや」
この言葉に父ちゃんは絶望し、翌日未明、着替えも持たずに家を出た。

30キロ離れた松山市にいる叔母さん(母親の妹)の家を目指したのだ。
国道196号線をまっすぐに走り、旧松山市内に入ったあたりから海沿いの県道を行けば大丈夫。
確かにそうだが、父ちゃんはパトカーの警官に保護されてしまった。

家に連れ戻された父ちゃんだったが、10日ほど経ってから里子に出された。
父ちゃんが頼りとしていた叔母さんが、事情を知って驚き、引き取ってくれることになったのだ。
その叔母さんの家は、偶然にもジイちゃん(…ぼくの母ちゃんの父親)と同じ町内にあった。

それから6年後、父ちゃんと母ちゃんは恋に落ち、すぐにぼくが生まれてきた。


 ◇ ◇ ◇ ◇


ぼくの父ちゃんは、なぜぼくを可愛がってくれなかったんだろう?

姿形が父ちゃんに似てないからなのか。
親よりもジイちゃんに懐いていたからなのか。
それとも、自分が愛されなかったから、子どもの愛し方がわからなかったのか。

そんなことをぼんやりと考えながら、ぼくは砂浜を歩き、艇庫から梅津寺駅へと向かった。
途中で、15分に1本しか電車が来ないのをいいことに、線路の上を歩いてみた。
分岐点があり、接合点があり・・・それはキミとぼくとの人生のようにも感じる。

ようこそ!
母ちゃんと共に走ってきた軌道から、今度はぼくと一緒に行く旅へ・・・。
ぼくらふたりを乗せた列車は、まっすぐに走ってゆく。
息が切れそうになったら休んで、走れそうになったら、また走り始める。
各駅停車、時刻表のない人生を楽しもうよ!


≪続く≫

◆時間旅行8 ―潮風の駅―
http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=6&D=28

↓第1話から読む!↓
◆時間旅行1 ―がんばっていきまっしょい―
http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=3&D=20


 ◇ ◇ ◇ ◇


[イメージ]画像・・・
港山駅から梅津寺駅へと続く線路!
出会いと別れを繰り返しながら、ぼくらは大人になってゆく・・・
ケータイは横向きで♪
↓さーさークリック↓


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.