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2005/07/01(金)
夏の幻と消えた送別会
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組織を離れ、別れてゆく人を送る集まりのことを送別会とゆう。 でも、ぼくは組織人じゃない。 「準社員として、社員同様の心構えで仕事をしてくれ」 と言われてはいたけど、会社にとって、ぼくはあくまで自営の下請業者だ。 契約が切れたら、その時点でクール&ドライにサヨナラ。 自分自身が主賓としての送別会など、絶対にありえない話だと思っていた。
そんなふうだから・・・ 「今夜、ゆうやの送別会をやろうと思う。急で申し訳ないが、予定を空けてくれ」 昼間の仕事をしている会社の所長から言われたときには正直うれしかったりもした。
しかし、いまは夜間のバイト先である宅急便の仕事が繁忙期にさしかかったところだ。 普段でも深刻な人出不足に喘いでいるとゆうのに、さらに猫の手も借りたい時期なのだ。 ぼくが急に抜けると、その穴埋めができる人なんていやしない。
送別会をしてくれるつもりがあるのなら、もっと早く言ってほしかった。 とはゆうものの、7月末での契約打ち切りを通告してきた会社に対し、6月末に早めてほしいと願い出たのはぼくのほうだ。 そんな文句はゆうべきじゃない。
「気持ちはありがたいけど、断わろう」 優柔不断なぼくが決意し、それを伝えようと所長室のドアをノックしようとしたとき、部屋の中から大きな声が響いてきた。 誰かと電話をしているらしい。 「ウチの会社の歴史が幕を閉じるんやけん、盛大なお別れ会にしようや」とか、「ゆうやもついでに呼んでやったらええがな」とか。
「そうか・・・。そうゆうことやったんか!」 ショックだった。 ぼくを送り出すための送別会なんかじゃない。 合併直前に行なう旧組織での最後の飲み会≠セったんだ。
そんなことにも気づかず、ほんの一瞬でも喜んだ自分が悲しかった。
「申し訳ないんですが、飲み会には行けません。宅急便の仕事を休むわけにいかないので・・・」 電話が切れる気配を待ち、所長に申し出た。 「弱ったなあ。どうしても無理なんか?」 所長は驚いた様子をして見せた。 それをわざとらしいと感じるぼくは、ひねくれ者なんだろうか? 「はい。ぼくの代わりができる人がいないんです」 「そうか。まあ、しゃあないな」
これにて一件落着。 勘ちがいしたまま出席していたら、さぞがっかりさせられたことだろう。 危ないとこだった。
そんなカンジで・・・。 ぼくの送別会は夏の幻と消え去った。
今日からは終日宅急便! 冬にやった経験はあるけど、暑い夏にやるのは初めての経験だ。 大汗をかいてひからびないよう、水分をしっかりとってがんばろうと思う。
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