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2005/09/19(月)
でっかい犬が怖い!
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ある会社に配達に行ったときのこと。
構えは小さいけれどいちおう会社なので、インターホンは押さず、ノックしてからドアを開けた。 「まいどっ!宅急便です!お荷物でーす」 元気よく挨拶をしたけれど、快適そうなオフィスには誰もいなかった。 「困ったなあ・・・どうしよう?」 思案していると、部屋の奥のほうから犬が小走りに出てきた。
「で、でっけぇ〜!」 チビなぼくと同じぐらいの身長があって、しかも恰幅がいいから、3倍以上もありそうに見えるチョーでっかい犬が・・・。 「た、食べらる〜っ!」 恐怖を感じたぼくは、思わずドアを閉めてしまった。 しかし、黙って荷物を玄関先に置いて帰るわけにもゆかず・・・。 とりあえず、インターホンを押したら誰か返事をしてくれるかも知れないと思い、インターホンに手を伸ばしかけた。
すると、不意にドアが開いた。 そこに立っていたのは、推定年齢ちょっと年上と思われるお姉さんだった。 「この犬おとなしいけん大丈夫。噛んだりせんよ」 どこかからぼくの狼狽ぶりを見ていたんだろうか。 クスッと笑いながらそう言った。
そのとき、でっかい犬がお姉さんの脇をすり抜け、ぼくのところにやってきた! ぼくはかなり大きな荷物を抱えたまま逃げまどい、夢中でトラックの荷台に飛び乗った。 「あはは!なにやってんの?」 お姉さんは面白がって笑うけど、怖いものは怖いのだ。
「ホントに大丈夫やって!降りてみて」 お姉さんがトラックのそばまでやってきて、臆病なぼくを励ましてくれた。 荷台のなかから荷物を手渡そうかとも考えたが、軽い荷物でも140サイズと大きいから、女性に持たせるのも気が引ける。 しかたがない・・・観念して荷台から降りた。
うわぁ〜っ!!! なんだ!なんだ? でっかい犬が馴れ馴れしくも急接近してきて、ぼくのカラダをクンクンし始めた。 まずはお尻のにおいを嗅いだあと、今度は前に回って・・・。 同年代の女子が見ている前だとゆうのに、なにすんだよ!!
拝啓じいちゃん。 ぼくはすっかり汚れてしまいました。 オスともメスとも分からない御犬さまに・・・。 男の子自身のあたりを思いっきりクンクンと・・・。 たっぷり汗をかいていたのに・・・。 歴史上の出来事にたとえると、たぶん「カノッサの屈辱」に勝るとも劣らないほどチョーウルトラ恥ずかったです。 それに、まだ子どもが生まれてもないのに噛まれたりしたら・・・。 そう思うと怖くて、一歩も動けませんでした。 あーあ、こんなぼくにも「あんな時代もあったよな」と笑えるときがやって来るのでしょうか? いつまでも笑ってばかりいないで、ちゃんと答えてよ!
こうゆうことがあってから、この会社宛ての荷物があるときには、必ずケータイから事前連絡をしている。 電話に出たお姉さんには毎回笑われる。 あのときのぼくを思い出しているんだろう。
でっかい犬が怖い! 笑われてもいいから、怖いものはやっぱり怖いのだ!
◇ ◇ ◇ ◇
【注】 140サイズ・・・縦・横・高さの合計が140センチ未満の荷物のこと。 60、80、100、120、140、170など、荷物にもいろんなサイズがあるのだ。
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