【青春交差点】
 
いつもどんなときも。ぼくはぼくらしく。
 
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2005/09/08(木) 後輩の自転車
 
先月のある日。
かなり老朽化したマンションの一室に配達に行った。
日当たりが悪いから階段にはコケが生えていて、壁はひび割れ、マンション名を記した看板の支柱は朽ち果て・・・。
2階建てで、とてもマンションと呼べるような代物ではないけど、名称はちゃんとマンションなのだ。
「こんなぼろアパートに住んどる人がおるんか?」
失礼だけど、そんな感じがするマンションだった。

ぼくは荷物を小脇に抱えて目的の部屋の前に立ち、呼び鈴を押そうと手を伸ばした。
そのとき、ドアのすぐ横に1台の自転車が置いてあり、その後輪カバーには通学許可の校章が取り付けてあることに気づいた。
ずいぶん見覚えのある校章だった。
そして、その下には絶対に忘れることのない校名が、小さく刻まれていた。
後輩・・・。

茶色の板にひらがなの文字を貼り付けたポップな表札が、ドアにくっ付けてあるマグネット式のフックにぶら下げてあった。
それを見ると、この部屋に住んでいる家族が「母ひとり子ひとり」だとわかる。
配達先で後輩の自転車を見かけることはそれまでにも何度かあったが、ここまで貧しいたたずまいの家は初めてだった。
たったひとりで貧しく生きた自分の高校時代を思い出し、猛烈な親近感が湧いてくる。

ぼくは我に返り、呼び鈴を押した。
が、壊れていて音が鳴らない。
コンコンコンと軽く3回ドアをノックすると、部屋のなかから「はい」と声がした。
「宅急便です。お荷物で〜す」
ぼくが言い終わるか終わらないかのうちに、ロックが解除されドアが外に向かって開かれた。
出てきたのは小柄な少年だった。

「すいません。母親が留守で印鑑がないんですけど、サインでも受け取りできますか?」
その少年は、実にさわやかな笑顔で対応してくれた。
「はい!いいですよ」
ぼくの顔も自然にほころぶ。

配達票にサインをしてもらい、荷物を渡すとき。
初対面でも話しやすそうな雰囲気の子だったので、思いきって聞いてみた。
「あのドラマ・・・みてる?」
現在放映中のドラマのタイトルを告げると、元気な答えが返ってきた。
「はい!毎回欠かさずみてます」
「やっぱりね!」
「はい。自分の学校が舞台やけん、それはもう・・・」
そういいながら、照れたように何回かうなずく仕草が、とても少年らしくて好感が持てた。

ぼくは流暢に話もできないくせに、調子に乗るとついしゃべり出してしまう。
「ぼくもねえ・・・」
しかし、このときは「キミと同じ学校の卒業生なんだよ」と言いかけてやめた。

「ぼくもねえ・・・毎週みよるよ」
「そうなんですか」
「うん。面白いけんね。じゃあ、勉強がんばれよ」
この少年の瞳を曇らせてしまうような気がして、それしか言えなかった。

職業に貴賎なし。
学歴社会なんかクソくらえ。
どうせ一回きりの人生じゃねーか!
夢だ!希望だ!

日記に偉そうなことを書き連ね、ケータイサイトでは「俺が青少年を励ましてやる」などとオピニオンリーダーを気取っているぼく・・・。
それなのに、後輩を目の前にして先輩であることさえ明かせずにいる。

無理して強くなろうとは思わないけど、せめて自分らしく生きたい。
自分らしく生きていることに誇りを持てるようになりたい。

それはいつのことだろう。
どこまで歩いてゆけば、そうゆう境地に達することができるのだろう。

あの日のエールが胸のなかで、何度も何度もこだまする。

がんばって・・・いきまっしょい!
しょい!

自分を信じてみよう。
ぼくはもっともっと大きいはず。


 ◇ ◇ ◇ ◇


◆「がんばっていきまっしょい」第七艇

ずいぶん遅くなったけど、ドラマを観てない人にも楽しんでもらえるように書いたつもりです。
ぜひ読んでやってくださいねっ♪
↓ここから↓
http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2005&M=8&D=25

 


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