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2006/04/04(火)
南ウイング11番ゲートA
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夢を見ていた
都会の喧騒がぼくの名を呼ぶ
もっと速く歩けと背中を押す
歩き疲れて道にうずくまる
誰でもいいから声をかけてみる
みんな足早に通り過ぎてゆく
ぼくの心が痛んでる
それをわかってほしいだけなのに
誰も振り向いてさえくれない
ぼくがぼくをやめようとしている
自分が何なのかわからなくなった
どこにいるのかわからなくなった
◇ ◇ ◇ ◇
夢の向こう側から、聞き慣れたかわいい声が聴こえた。 「ゆうやくん!ゆう坊!起っきの時間だよ」 「・・・・・・・・」 甘えたい気分でシカトしたら、もう一度声が聴こえた。 「起きて!ゆっぴぃちゃん!」 寝ぼけた目は閉じたまま、アヒル口を突き出してみた。 うひょ〜っ!! イチゴのような唇の感触が・・・・と思ったら、彼女の人差し指だった。 「チェッ!」 舌打ちしながら、とりあえず悪い夢から救ってくれたことには感謝した。
3月31日、時刻は7時半。 フロントと同じフロアにあるレストランに行った。 どっちも小食なぼくらは、モーニングバイキングじゃ絶対に元が取れない。 窓から見える大通公園をスーツ姿のオジさんが歩いてゆくのが見えた。 そういえば平日なんだ。 ぼくらはまだ、湘南⇒横浜⇒お台場⇒東京タワーとゆう行程がどんなにハードなのか知らなかった。 でも、なんとなく気ぜわしくチェックアウトした。
金曜日の朝。 伊勢佐木長者町の駅は通勤客で混雑していた。 初めて経験する都会のラッシュに、彼女はドギマギしていた。 人波ではぐれないように、彼女の手をしっかりと握った。 ぼくらは横浜市営地下鉄で終点の湘南台まで行き、そこから小田急江ノ島線に乗り換えた。
鵠沼海岸、江ノ島、それに茅ヶ崎・・・・。 それらがサザンとかチューブの曲によく出てくる地名であることぐらいは知っていた。 が、どんな場所なのか浮かんでこなかった。 期待にわくわくしながら、片瀬江ノ島駅に着いた。 駅前にある弁天橋から駅舎を振り返った。 なんなんだ? この変てこな駅。 「浦島太郎の竜宮城みたいだな」 そう言って、ぼくらは笑った。
江ノ島はすぐそこにあった。 橋で陸地につながれてはいるけど、いちおう立派に島なんだ。
江ノ島に渡る前に、ぼくらはまず片瀬海岸をジャレあいながら歩いてみた。 鬼ごっこのような、叩きっこのような。 鵠沼海岸がきれいに見えた。 遠くに見えるウインドサーフィンのヨットの帆が、わけもなくうれしかった。
片瀬海岸だけで胸いっぱいになったぼくらは、さらに江ノ島大橋に乗っかった。 「茅ヶ崎までバッチリ」 知らない誰かが言ったけど、どれが茅ヶ崎なのかはわからなかった。 橋の途中で、北の空にそびえ立つ富士山に気づいた。 ビミョーな春がすみの中に見えるシルエットは、切り取って持って帰りたいほど素晴らしかった。 日本一の富士山が、どうしても日本一じゃなきゃいけない理由がわかった。
そして、いよいよ江ノ島に上陸。 流れてきた音楽は『勝手にシンドバッド』じゃなくて、『ギザギザハートの子守唄』だった。 続く曲が『赤いスイートピー』だったってことは、懐かしのJポップか何かの有線放送だったんだろう。 「江ノ島丼って、たっけーな」 そう言って、ぼくは江ノ島北緑地の芝生の上に寝っ転がった。 空は快晴。 大好きなミルキースカイがどこまでも広がっていた。 ポカンと口を開けて空を眺めているぼくの髪を、彼女が優しくなでてくれた。
気温は低いのに寒さを感じない。 さわやかな南西風が恋するハートを揺らす。 イメージ通りの湘南!
時刻は11時。 いつまでも江ノ島でゴロゴロしていたかったけど、次の場所に行かなきゃ。 藤沢でぼくらは、小田急からJR湘南新宿ラインに乗り換えた。 めざすは桜木町だが、一度横浜に出て、京浜東北線で桜木町へ折り返す感じになった。 「そのほうがたぶん早いですよ」 と、片瀬江ノ島駅の親切な駅員さんが教えてくれた。 地図もるるぶも持たずに旅するぼくらに、わざわざ声をかけてくれた小田急の駅員さん! JRのことまで教えてもらって・・・・あんがとさんです。
(続く)
◇ ◇ ◇ ◇
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【イメージ画像】 迷った挙げ句、この写真にします・・・・江ノ島! 久しぶりにケータイ横向きで。ゴメンね。 ↓さーさークリック↓
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