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2006/05/10(水)
サウンド☆ハウス 第2話
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やっほ☆ミ(/ ̄O ̄)/ ゆうやです。
第1話面白くなかったでしょ?(笑) 音楽業界の説明とかが多くて。 特に男子高校生の皆さんに聞きたい! 紀代香ちゃんのキャラを好きになれそうですか? すっげぇ〜優しいねーちゃんでした。
第2話からストーリーが動き出します。 では、スタート♪
◇ ◇ ◇ ◇
サウンド☆ハウス <第2話>
5月27日、水曜日の夕方。
祐太が中3のときのクラスメートが店にやってきた。 名前は新太郎。 祐太とは違う高校に通っていたが、帰り道をわざわざ遠回りしてやってきてくれたのだ。 新太郎が店に入ってきたとき、祐太はまだ店の奥の部屋で着替えをしていた。 「お友だちが来てくれとるよ」 「わかった。すぐ行く」 紀代香は内線電話で祐太に知らせた。 急いで着替えを済ませて店に出ると、祐太と同じくらい小柄な少年が不安そうに立っていた。 新太郎の他に客はいなかった。
「祐太がここでバイトしよるゆうて聞いたけん、CD買いに来たんや」 「ありがと。んで、誰から聞いたん?」 祐太は学校にバイトをしていることがバレるのが怖くて、情報の伝達経路が気になった。 「それは言えん。絶対秘密にできんのやったら、教えれん言われたけん」 「でもな、新太郎。絶対秘密やったら、俺んとこ来たらやっぱまずいでしょ?」 「うん・・・そりゃあ、まあ・・・」 新太郎は返答に窮し、口を尖らせた。 だが、祐太はうれしかった。 目の前にいるかつてのクラスメートが、1枚でもCDを買えば祐太の株が上がるものと信じてくれている気持ちに感謝した。 そう思うと、なぜか可笑しさがこみ上げてきた。 上目遣いの新太郎と目が合った瞬間、祐太は噴き出し、つられて新太郎も笑った。 紀代香はレジにいて、彼らのバカ笑いに微笑みながら音楽情報誌に目を通していた。
新太郎はhideの熱心なファンで、コーナーの前で「これがええな。あれもええわい」と目を輝かせながら語った。 そして、恐らく15分近くも演説をした後、それで満足したのだろう。 この日発売されたhideの「ever free」とGLAYの「SOUL LOVE」、この2枚のシングルを買って帰った。 「委員長、3組のみんなが応援しとるけん、がんばって!」 帰り際に新太郎が言った。 「委員長か・・・」 本来ゲキを飛ばすようなキャラじゃない新太郎の言葉は、祐太の胸にズシリと響いた。 小さな背中を見送り、祐太が振り返ると紀代香と目が合った。 紀代香は小さくうなずく仕草を見せたが、涙目だった祐太はすぐに視線を外した。
祐太の瞳がすっかり乾いたころ、サウンドハウスのさして広くない店内は、10名前後の客で賑わっていた。 紀代香が店に在庫をしていない洋楽CDの受発注に手を取られている間に、大学生らしき2人連れの男性客がレジに向かった。 祐太はさっき聞いた新太郎の言葉の意味をかみしめながら、ぼんやりしていた。 「祐太くん、レジお願い」 紀代香の声が飛んだ。 これで我に帰った祐太は、素早くレジに立った。 「ありがとうございます。お買い上げ3059円です」 祐太は笑顔でそう言いながら、大ヒット中の「B’z The Best Pleasure」をシルバーの袋に入れた。 大学生は1万円札を差し出したあと、小銭入れから60円を出した。 祐太がレジを打ち、レシートと釣り銭の7001円を用意したとき、その大学生が5千円札を出してきた。 「こっちで取って」 祐太がレジを打つのは初めてだったわけじゃない。 何度も経験している。 だが、頭の中が突然真っ白になった。
祐太は新たに出された5千円を受け取り、さっき預かった1万円と同時に、2001円でいいはずの釣り銭を7001円も渡してしまった。 単純なミスだった。 「お待たせしました。ありがとうございます」 祐太は大学生が一瞬ニヤリとしたことに気づいたが、自分がミスをしたとは思いもしなかった。 レジから離れていた紀代香には、それを知る術さえなかった。
<第3話へ続く> http://diary1.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/rommel/?Y=2006&M=5&D=11
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【イメージ画像】 ↓5月の空と緑↓
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