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2005/03/09(水)
ローレライ・システム
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福井 晴敏氏原作の「終戦のローレライ」を映画化した『ローレライ』を見て来ました。
1945年8月の日本では、第二次世界大戦の最終的な局面を迎えていました。 同盟国のドイツは降伏し、日本に対する米国軍の攻撃はすさまじいものだった。
8月6日広島に原爆が投下され、第二・第三の原爆投下を避けるために、 海軍朝倉大佐の指揮下の元に「伊507」の潜水艦が日本から出航する。
独断の判断での命令と知らず、定員に満たない70名の寄せ集めの隊員達は、 米国の駆逐艦との戦いで初めて、自分達の艦隊に『ローレライ・システム』 なるものが存在する事を知らされ驚く、 それ以上に驚くことは「ローレライ」はたった一人の少女のことで、 降伏前のドイツ・ナチスで厳しい研究・改良を与えられた『人間探知機』なるものだった。
深い〜深い深海でレーダーよりも正確に敵の位置をキャッチできると言う。 恐るべき能力を駆使してテニアン島にて、第三の原爆が搭載された敵機が、東京を狙うと言う情報の元に、 最後まで望みを捨てず、戦い尽くして祖国を守ろうとした男達の生き様が心を揺り動かしてくれた。
そして第二の長崎の原爆投下が避けられなかった無念さが、 より強く男達の心を突き上げた事も良く伝わってきて・・・
そこまでに行く間に、朝倉大佐に造反や艦隊の中にも協力者がいたことは、 ローレライが一人の少女だったと言う驚きと同じくらいのもので、それを乗り越えての結束が強かった。
最終的には第三の原爆投下が免れ、南の海に散ってしまった艦隊の乗組員と、 事前に切り離されたパウル(ローレライ)と折笠の2人の消息も分からず、 戦後になって米国艦隊の乗組員から話を聞く作家が腕にはめていた時計は、 艦長の思い出の腕時計だったことがとても印象に残った。
単なる戦争映画とは違う何かがあったのは、 登場人物それぞれの人間模様を丁寧に描いていたからなのかもしれない。 男の映画という言う印象は全くない。
祖国を救うのには艦隊で南の海で戦う人たちとは別に、 事前に希望者を募り潜水艦を降りる決心をした人たちも、 今の日本を支えられる大切な礎になってくれたと思う。
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