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2005/05/14(土)
隠し剣 鬼の爪
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公開中に見損ねた映画の1つです。 DVDを借りてきました。
山田洋次監督と言えば「たそがれ清兵衛」でも、同じように下級武士の悲哀を現していた。
原作者の藤沢周平ものは全く読んだ事がないのだが、両方の作品で共通しているのは、 下級武士が幕末でその意志に関わりなく巻き込まれる藩の騒動。 そしてそこに主人公を支える健気な女性たち。
今回は永瀬正敏が、父が汚名返上の切腹した事によって格下げされた家を守るという使命で、 母と妹と手伝い女とのつましい生活をおくっていた。
しかし、同じ剣の仲間であった友の謀反によって、その生活が大きく狂ってしまった。 藩の命令によりその友を刺殺することになり、昔の剣の恩師に打ち明けて、捨て身の剣法を伝授される。 それ以前にこの師より「隠し剣 鬼の爪」を密かに教えられているこの武士に取って、 剣は人を殺傷するものではなく武士の誇りと思っていたことにも、人柄が良く分かる。
傷を負いながらも捨て身の剣法で謀反者を討ち取る事が出来たものの、心中は喜べず。 そのうえ家老の悪質な行いまで知る事によって武士と言う禄を捨てる覚悟で、 「隠し剣」を使い家老を刺殺する。
日本人ならではの自然な気持の流れというか・・・ 潔く禄を捨て故郷を捨て、そして身分違いと諦めかけていた恋を手に入れられたとき、 ほっとする感情も・・・
う〜ん・・・原作が勿論良いのだろう。 山田監督も心のひだに入ってくるのが上手いというか、後味の良い作品でした。
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