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2004/11/20(土)
そこに愛はあるか
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中央区護国神社の塀に「捨て猫はやめてください」という看板がある。広々として人気のない境内の片隅に、こっそりと猫を捨てていく人は多いのだろう。そして、その下にも何か書かれている。
近づいて見てみると、「ここにはカラスや野良犬がたくさんいます」と続けてある。確かに護国神社の杜には夥しいカラスがいるが、このご時世に野良犬はどうだろう。それはともかく、猫を捨てる側の心理を巧みについた看板ではある。
捨て子でも捨て猫でも、捨てる側はせめて誰かに拾って生きてほしいと願っているだろう。何かの事情で手放すことは想像できる。子猫はまだ鳥の雛のように十分毛が生え揃わず、カラスの嘴などで一撃を受けるとひとたまりもなく致命傷になるだろう。そう考えると、捨て猫を思いとどまるかもしれない。
捨てる側とすれば、大半が他に場所を探すのだろうだが、神社にしてみれば、そこに捨てられなければ、ひとまず看板の用件は果たしたことになる。問題はそこから先なのだと思うのだが。
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