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2004/03/23(火)
食品事業の煩わしさ
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ユニクロを展開するファーストリテイリングが、食品事業から撤退することになった。「契約農家で作られる厳選した野菜だったので、割高の価格で云々」などと言い訳していたが、どだい洋服屋がロクなマーケティングもせずに食品に飛びつくのが失敗の原因なのだ。食べ物なら毎日口にするものだから、服よりも売れるなどと安易に考えていたのだろう。しかし食べ物は賞味期限は短いし、利益率は一般的に洋服の半分以下。割りに合わない商売である。
食品は生ものであるから、品質管理など在庫の扱いは慎重でなければならず、口に入れるものだけに異物混入やばい菌発生の可能性も常に考えなければならず、その割には「アガリ」が少ないことで今回の決断に至ったのであろう。特に青果物は気象条件にも左右され価格相場も変動するなど、扱いが難しい商材である。
で、何が言いたいかといえば、ユニクロ批判ではなく、食品関係の仕事の難しさである。洋服の場合、ある程度の利益率があるので、在庫処分の場合、価格を下げて特売しても原価を割らなければ問題ではないが、利益率の低い食品は特売は完全に赤字。食品業界では、多くの業者が広告宣伝費を利益に投入したり、メーカーや問屋から条件を出してもらったり、販促費と称して伝票外での入金が慣習になっている。
食品業界では日が浅いユニクロの場合、こういった条件はなかなか出ないと思う。今や安売り競争が過剰して特売の底値が完全に原価割れしている現況では、まっすぐな商売では太刀打ちできないという情けない現実となっている。
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