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2004/05/27(木)
石狩川でチョウザメ
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生き物ネタが続いたところで、今日はチョウザメの話である。 石狩川で2メートル30センチのチョウザメが捕獲されたそうだ。生き物に興味のない方はサメというと海水魚と思われがちだが、チョウザメは海でも生活できるとはいえ、基本的には淡水魚である。知らない人が川で目撃したら腰を抜かすかもしれない。
以前北海道へ行ったときに買って書棚に眠っていた「北海道の淡水魚(北海道新聞社刊)」を久々に引っ張り出して見ると、チョウザメの分布は、日本では北海道・東北とある。その昔、天塩川には相当数のチョウザメが上っていたらしく、石狩川にも明治初期まではよく見られたようだ。石狩川の河口にはチョウザメを祀る石狩弁天社という社があるそうである。十勝川、釧路川のほか、八雲や鵡川でも獲れたという。
明治初期といえば、ニホンカワウソがまだ東京に棲んでいた頃である。ニホンオオカミの最後の雄が和歌山で捕らえられたのも明治初めだったと記憶している。どうやら文明開化を境に多くの生き物と惜別しなければならなかったようだ。
チョウザメは卵巣がキャビアとして世界的に知られているが、全身食べられるようでかなり美味らしい。石狩川で今回捕まえた漁師さんは「煮ても焼いても、マグロなんか目じゃないくらい旨い」と言い、確かに日本各地で養殖が試みられている。九州では霧島連山のふもと、小林市出の山公園の水産試験場でかなり力を入れて養殖されている。池のほとりの「いこいの家」では3千某でコース料理もあった。なかなか淡水魚料理はメジャーになれないが、将来食糧難の時代が来たら出番かもしれない。
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