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2005/10/01(土)
年に5回の日
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仕事ではなく個人的なことなのだが、月の初めの朝に忘れずにしなければならないことがある。といっても毎月ではなく、1年のうち約半分の5回ほど。さらに細かく言えば、3、5、7、10、12月の1日である。腕時計集めをしている私は、竜頭を回して日付の修正を行うのである。
腕時計といっても、今や市場のほとんどを占めている電池式のクォーツではなく収集のほとんどが機械式なので、毎朝ネジを巻いているため日付を修正するのはそのついでの作業にすぎない。デジタル時計や電波時計はもちろんのこと、機械式でも今はパーペチュアルカレンダーという機能が付いているものは、2100年くらいまで日付や曜日の修正が要らないモデルも出てきている。便利になったものだ。
その昔、英国紳士の1日は時計を巻くことから始まるとか言われていたが、手巻き式からやがて自動巻きが出たあたりでその習慣はなくなっていったのだろう。最近毎日2時間ほど歩いているが、元々人間の体には、自動巻きの時計の1日分が巻き取れるくらいの運動が必要だということだろう。電池式クォーツ時計の普及は、生活習慣病の進行と足並みを揃えてやってきたような気もする。
幸い最近の自動巻きの時計には、運動不足の現代人をアシストするように多くのものに手巻き機能も備えられているが、私のような時計マニアの収集家には有難い話である。むかしの自動巻きモデルにはそんな便利な機能がなく、暑くもないのに扇風機に吊るして首を振らせたりしたものだ。もし将来ほとんどの時計で年に5回の日付回しが不要になるとすれば、その頃の人の生活はさらに不健康になっているような気がしてならない。
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