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2005/11/04(金)
本物のない売り場
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岩田屋の九州焼酎祭りに出かけてみると、初日は限定品目当てであれだけの賑わいだったのに、きのうは祝日だというのにガラガラ。そもそも百貨店の酒売り場というのは微妙なポジションで、裕福な家庭は地域の酒屋に配達してもらい、中流はスーパーやコンビニ、それ以下はディスカウント酒屋で買うというのが実情で、定期的にデパートで酒を買うという人は少ないのではないか。それに元々酒の業界は独自の仕入れ体系が確立されていて、百貨店のような扱いにくいわりに売上の上がらない販売先とは、あまり深いつながりを持たないのかもしれない。百貨店の酒売り場で日本酒や焼酎が充実していると感心するところは、ほとんど見たことがない。
さて九州焼酎祭りとやらの品揃えを覗いてみたのだが、魅力的な逸品は見つからなかった。人気の銘柄は出所が限られているので、百貨店のようなところにゴロゴロと並べられることはないのだろう。年間と通して安定してかなりの数量を捌ける居酒屋にでも流した方が、問屋としても稼げるに違いない。晴耕雨読の原酒あたりを今回の催事の目玉にしていたようだが、限定数量なのに大量に陳列されていた。結局、客の興味は入手困難な銘柄に限られるということか。
ところで焼酎の銘柄で目立ったのは、有名銘柄そっくりの別銘柄。「百年の孤独」を連想させる『千年の眠り』、「かめ雫」と聞き違えそうな『神しずく』、そして「魔王」と間違えそうになった客がいた『大魔王』などの類似銘柄が我が物顔で鎮座している。しかも肝心の本物の方はひとつもないのである。大の百貨店が亜流ばかりを並べるなといいたいところだが、ボリューム感を出すための頭数として置いているのかもしれない。それが今の岩田屋の実力ということだろう。それにしても岩田屋は接客が酷い。これは社風というか店全体に染み付いたもので、そう簡単に払拭できるものではなさそうだ。ヨドバシカメラの方がよほど客を大事にしてくれる。岩田屋はまずは笑顔の接客を覚えてほしい。
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