日常日記
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2005/04/27(水) 使い捨て時代の悲劇
機械式の腕時計が壊れたので、修理に出そうとメーカーのサービスセンターへ出かけた。壊れた時計はセイコークロノス・セルフデーターという1960年代に製造されたもの。今のセイコーが精工舎という社名だった頃、亀戸の工場で手作りされたらしい。セイコーの腕時計では初めて日付窓が付いた記念すべき製品だが、日付だけを竜頭で動かすことが出来ず、時計の針を8時から2時まで往復させることにより日付が動くという、便利な今では考えられない機能である。そこがまた愛らしくもある。大卒の初任給が1万円満たなかった頃に、8千7百円もしたそうである。

この時計はあるバッタ屋(麻雀牌やライターのガスなどが売っているような店)の店先で人目惚れし、何度か足を運んだのちに多少値切って購入した。確か1万5千円を1万3千円で買ったと思う。バンドを変えたので、プラス3千円ほどかかったことになる。セイコークロノスは精工舎初期の代表的な製品で、一説にはグランドセイコー(現在のセイコーの最高級の時計)の源流になったとも言われている。

動くのは動くのだが、ネジが十分に巻ききれない状態。メーカーでは分解掃除(オーバーホール)が必要なので、2万4千円ほどかかるという。世界一の精度を誇るクオーツ時計を世に出したセイコーだが、皮肉にもそれが使い捨て時代の到来となった。

買値の倍も修理代を払うほど裕福でないので、近所のいきつけの時計屋に持っていくことにした。スイスまで渡り修行し機械式時計のメンテナンスを学んだという整備士が箱崎にもいるのだ。そこでの見積もりは分解掃除と修理で1万5千円ほど。機械式時計には分解掃除が必要とはわかっていながら、買値を出して修理するのは勇気がいる。祖父や父などの形見とかいう愛着があるのなら、それくらい出してでも保守するだろうが。

最近はこの年代の時計も、質屋やバッタ屋でなかなか見かけなくなった。古時計専門の店ならときどき出てくるが、その手の専門店はとにかく高い。セイコークロノスでも3万弱するだろう。
仕方ないが、行けるところまで、完全にぶっ壊れるまでこのまま行くことになるだろう。ネジをいっぱいに巻けば数時間は動くので、出かける直前に巻けば使えないことはない。実は今月セイコーの腕時計の新品を2本買ったのだが、世代交代ということか。使い捨て時代に反対の立場ながら、経済的にそれに従わざるをえないところが何とも口惜しい。次はシチズンのアテッサ(ソーラー式で電池交換不要かつ電波時計)でも買ってやろうか。


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