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2005/07/28(木)
愛される痛み
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ショッキングなことが続いた。ひとつは後半初戦のスワローズが、広島相手に9回1イニングで3点差を逆転されたこと。ただでさえ脆弱な今のヤクルト投手陣なのに、抑えの石井まで打ち込まれては総崩れである。今年は終盤に逆転されることが多過ぎるが、燕ファンとしては今は我慢のとき。選手たちはファンが到底知りえない厳しい練習を乗り越えてきているはずだ。きっとそれが実ることを祈るばかり。
さて、もうひとつのショックは風呂上りに突然起きた。いつものように愛猫が私の入浴中に寂しがって脱衣所で待っていたのだが、風呂を上がる頃に鳴き声が絶叫風に変わったのでどうしたのかと思って近づくと、文字通り豹変し爪を立てて襲い掛かってきた。
このようなことは彼女と暮らしてから10年の間に2度経験した。どちらもベランダから部屋へ戻るときに遭遇したのだが、そのときはベランダに置いたゴミによその猫かイタチがマーキングしたらしく、10年間室内飼いされてこの部屋への縄張り意識が過剰に刷り込まれているため、よその猫のマーキングを感じるとパニックになるようだ。そしてどうやら私が他の猫と浮気したと解釈するらしく、怒りはマーキングの匂いではなく私へ向けられ、最初のときはジャンピングして両前足で引っかかれ、私は心身共にかなりのダメージを受けた。
今回もおそらく同じ原因だと思う。風呂の窓を開けたときによその生き物のマーキング臭が飛び込んできたのだろう。過去の1回目はひっかかれたが、2回目は(1階なので飛び降りて)ベランダから外に出て玄関から入り直し襲撃は受けずに済んだ。しかし今回は最大のピンチ。風呂上りゆえに一糸纏わぬ姿だけに、ひっかかれると最悪の場合性機能障害だってありえる。相手はいつもごろ寝している愛玩猫ではなく、ライオンの親戚の猫科の猛獣と化している。最近しばらく爪を切っていなかったものぐさのツケがこんなときに回ってくるとは。バスタオルを巻いて出ようとするが、猫はバスタオルの下の空洞から様子を伺い、今にも飛び掛りそうな勢いで「モミャオー」と、ショーケンもびっくりの甲高い声で威嚇する。風呂上りでやや延び加減の私の可愛い愚息が危ない!
まずは風呂の窓を閉め、猫の気に入っている匂いのシャンプーを蒔き、お湯で流し匂いを広げたがなかなか猫の興奮は収まらない。これまでの2回は匂いが収まれば徐々に落ち着いてきたのだが、今回は風呂の扉越しに猫との一進一退の攻防が実に50分ほど続いた。
結局、少しずつ前進することで、何とか風呂場から出ることに成功。エサをやることでようやく落ち着かせることができたが、しばらく長袖長ズボンで過ごしさんざんな1日となった。 猫も私もすっかり元通りになって、今は抱っこしてまたいつもの間柄に戻ることができた。抱き寄せたらすかさず前足、後ろ足とも爪をかなり短めに切った。猛獣と暮らしていることを忘れてはいけないと自戒しながら。
愛猫シルビアにとっては、私が他の猫にもしも浮気したら、メシの元や愛情に満ちた生涯など、生活の土台を失うわけで、野性味をむき出しにしてそれを守ろうとするのも無理ないことだ。しかし浮気してないのに浮気したと決め付けられ、ヒスを起こされるって、まるで人間の女そっくりだなぁ。この機会に愚痴ついでに書くが、私はこれまで自分でも気の毒なほど女運が悪い。でも殺されるほど愛されるってことは、考えてみると男としては幸せなことか? (写真はじゃれ合っているときにエキサイトしたときの図)
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