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2005/09/10(土)
トラベルクロック
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今日も通販でいつものように時計を物色していると、写真のようなトラベルクロックを見つけて懐かしくなった。むかしは一家に一台はこんな時計があったのではないか。今や携帯電話が普及し、時計もアラームも付いているので、旅先にわざわざこんな時計を持っていく必要がなくなった。携帯電話のほかにコードレス電話にもアラーム機能が付いているものもあり、目覚まし時計が部屋にない人が多いのではないか。
私が小さい頃はまだクォーツ時計が開発されておらず、このようなトラベルクロックも目覚まし時計も腕時計も全て機械式だった。機械時計好きの私は大学に入り上京してからも、ディスカウント屋などで中国製(国産物が流通しなくなってから、最後まで流通していたのは中国製だけだった)のネジ巻き式の目覚まし時計を買い、毎日巻きながら使っていたが、その後は機械式の目覚まし時計は見かけなくなってしまった。
トラベルクロックはエルメスなど高級ブランドでも未だに発売しているが、持っている人は少ないだろう。飯場に泊まり込んで作業でもするのならともかく、今やビジネスホテルはもちろん、カプセルホテルにだってほとんど目覚まし時計は備えられているし、インターネットカフェだって申し出れば貸し出してくれる。
腕時計の中にはアラームが付いたものがある。デジタル式だけでなく、アナログ時計にもアラームクロノという機種には付いているのだが、私の持っているセイコーのアラームクロノのアラーム音は、深い眠りでは起きないだろうというほど優しい音である。その音色はどこかで聞き覚えがあると思っていたら、かつて自動車で時速100キロ以上の速度になったときに鳴る警告音にそっくりだと気づいた。キンコンキンコンと学校のチャイムをMIDIにしたような音で、目覚ましというよりは癒しの音である。トラベルクロックも速度の警告音も、もはや絶滅危惧種なのが残念である。
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