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2005/09/15(木)
甦った電子手帳
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実家の母親が、何かの公開講座を受講するときに携帯できる辞書が必要だといい、電子辞書がいくらくらいするのか聞いてきた。使い途は漢字の変換だけというから、引き出しの奥に眠っている電子手帳を引っ張り出してみた。もう10年近く放置していたので、当然電池はない。裏蓋の中にはボタン電池3つがあり、そのうちひとつはデータ保存用のようだが、さすがに10年もすれば消えているだろう。
100円ショップでボタン電池を買ってきて10年ぶりに起動してみると、無事に画面が立ち上がった。三十路の大人になった今では絶対に買わないカシオ製なのだが、それなりの機能が付いている。たしかパチンコの景品で2千5百発で貰ったものだと思うが、当時の数千円相当にしては辞書や計算機、住所録、カレンダーなど多彩。しかしどれも今では携帯電話で事足りる機能だ。リセットして立ち上げるとカレンダーは1992年になっているので、その年か前年に製造されたものだろう。
92年といえば、貿易関係の仕事をしていた頃だが、思えば当時は海外との通信はFAXが中心。途上国の取引先の中にはTELEXのところも残っていた。海外への文書はワープロよりもタイプライターが主で、打ち直しが出来ないため長文の最後の方は緊張したりしたものだ。僅か十数年でずいぶんと便利になったものである。
この頃はパソコンにまだしっかりしたOSがなかった頃で、電子手帳はモバイル端末ができるまでのツナギのような存在か。そういえば通信機器にはポケベルなんてものがあったが、儚い存在に終った。今でもほんの一部にポケベルは使われているようだが、この頃の通信機能やパソコンとの互換性すらない電子手帳を、いまだに使っている人はどれだけいるものか。
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