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2005/09/17(土)
かにめし
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いつものごとく、夜更けにスーパーへ出かけ開店荒らしならぬ閉店荒らしでおつとめ品を物色していると、「つがに」が半額で並んでいる。「つがに」とは標準名をモクズガニといい、淡水にいるカニである。四万十川流域などではすり潰して汁にするらしいが、そのまま茹でるか炊き込みご飯にするのが一般的。九州では佐賀の浜玉町に川がに料理で知られる料亭がある。
かにの入ったトレイを手にとって見てみると、賞味期限が今夜限りなのに僅かに泡を吐き足を少し動かしている。まだ生きているようだ。これは明後日くらいまで持ちそうなので、買って帰り冷蔵庫のもっとも冷たい上段に入れておいた。
そして2日後の今日、冷蔵庫から取り出してみるとまだ動いている。トレイのラップを外して水洗いすると全ての足が動き出した。生命力が強いようだ。4匹の中の1匹は、油断していると爪で挟まれそうなくらい元気がいい。かに飯にするため炊飯器に入れ上から醤油を垂らすと、バタバタと暴れ出したので慌てて蓋をしてスイッチを入れた。
時間になると、醤油の焦げた香りとかにの風味が広がり、ワンルームマンションの極限まで狭い空間のキッチンには不似合いな、一流割烹のような上品な匂いが漂った。素材の良さに頼ったとはいえ、久しぶりに満足できる料理の出来映えだ。かにのエキスを吸ったご飯やおこげもさることながら、かににはみそが大量に詰まっていて激ウマ。川のかにも侮れないものだ。さすが上海カニの親戚だけある。
見てみると全てメスだった。半額にすると1匹当たり100円だというのに、西鉄ストアはなかなか良心的ではないか。調べてみるとモクズガニの最高の旬は1〜2月の卵を持った時期らしい。これ以上に旨いのなら、もう一度その頃に食べねばなるまい。
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