日常日記
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2005/09/03(土) 特殊な国の特殊な人
尾道の男女教諭がアフガニスタンで行方不明になっている事件で、2人らしき遺体が発見されたという。行方不明が発覚したときにまず感じたのは、アフガニスタンに日本人の観光客がすんなり入れるようになったのかということだ。

以前パキスタンへ行ったとき、アフガニスタンとの国境の町ペシャワールへ行ったことがある。しかしそこから先に進む日本人観光客はいなかった。当時のアフガンはソ連の息がかかっており、軍事政権も不気味でとても観光客が入り込める余地はなかった。遺跡を見たいという興味と引き換えに、危険な場所へ入り込むなんて、二十歳過ぎの私でさえ思いもしなかったこと。今では若干状況が変わったとはいえ、世界でも屈指の治安が安定しない場所へいい歳の大人2人が簡単に踏み込んだことは理解に苦しむ。

しかも陸路で国境越えしたという。航路での国境越えはある程度治安が確立されているし、行き交う人のステイタスもそれなりだが、陸路の国境付近は危険が多い。武器や弾薬を大量に運んでいる場所であるという物質的な危険も孕んでいるが、船や飛行機ならば目的がはっきりした人間が乗っていると解釈され、それほど危険に晒されないが、陸路に突然現れる外国人などは向こうにとっては得体の知れない射的の的となる可能性が高い。そんなところでは、日の丸のパスポートなど単なる紙切れに過ぎない場合もある。イミグレーションの係官でさえ、日本という国自体知らないこともあるのだ。そして陸路の係官は、ワイロを求めたり、インチキ両替商とグルになっていたりするうさんくさい人物が多いのだ。旅慣れたら、そんなアウトローたちを軽くあしらうのも愉しみのひとつになるが、育ちのいい日本人がザックでも背負っている姿は、ワイロも重要な所得の一部になっている百戦錬磨の係官から見たら、ネギを背負ったカモにしか見えないだろう。

我々は日本という特殊な国に住んでいるという自覚が少ない。この国では荷物を網棚に乗せて眠ったとしても、荷物がなくならないという世界有数の平和な国だ。日常生活に軍備はなく、兵隊との接し方すら知らずに生涯を終えることもできる。安全が日常であることが、世界の中で特殊な存在であることを認識している人は多くない。

多くの人が汗を流して働いているときに、長い夏休みを取り海外旅行に行けるような人は、それだけ一般の社会人に比べて社会経験が不足しているとも言えるのではないか。海外渡航しかも途上国への入国経験が乏しい人やそんな人を連れて行く場合は、ツアーの範囲内のみで行動すべきと思う。それが職場など周囲に迷惑をかけない最低条件だろう。仕事や家を離れて放浪でもするのなら話は別だが。

ちなみに世界史で習うモヘンジョダロやハラッパ(いずれもパキスタン)は、遺跡としては世界的に有名だが、現地は放置状態でわざわざ見に行くほど整備されていない。ハラッパなどは最寄駅に停まる電車が1日2本くらいしかなかったと思う。しかも駅から徒歩で何時間もかかる。歴史を学んでその世界に心酔するような熱狂的な人以外には、決しておすすめできない場所である。
(画像はパキスタンの人気たばこK2の包み紙)


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