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2006/03/24(金)
さよなら日本の翼
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唯一の国産旅客機YS−11が9月末で退役になると聞き、先日福岡空港へ行った際に写真を撮っておいた。原油を始めとして大半を輸入に頼っている物が多いこの国で、飛行機もほとんどが外来だが、YS−11は戦後から1974年まで国内で製造された唯一の旅客機である。
YS11といえばプロペラ機の代名詞のような存在だが、私が飛行機に自腹で乗れる身分になったときには、すでに地方空港への乗り心地の悪いローカル線というイメージに凋落していた。私は飛行機マニアではないので、飛行機に乗るときは事前に型番など気にもしないため、実際空港に着いて初めてどんな機体か見ることが多い。最後にYS11型機に乗ったのは、7、8年前に高知から福岡へ帰る便だったと記憶しているが、「今時プロペラか」と思ったものである。
でも実際乗ってみると、昔の鉄道と同様で人と人の距離が近く、名も知れぬ人と旅の道中で語りあったり、お茶や食べ物を融通しあったりすることが当たり前に出来ていた時代を思い出し、ずいぶんと世の中は変わってしまったと感じたものだった。人と人が近いといっても、スカイマークのように輸送効率ゆえに押し込められるのは勘弁だが、こじんまりとした機内で同じ便になった偶然に親近感を感じるほど、限られた人数で空の旅をする時代にもう帰れないかと思うと名残惜しい。
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