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2006/03/09(木)
鯨、犬、牛、馬そしてアヒル
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(今日の日記は犬肉などグロテスクな内容が登場します。苦手な方は飛ばしてください)
そして今日3月9日はくじらの日らしい。 くじらが庶民の食卓から遠ざかって久しいが、すっかり高価になったのに根強く売られているのは、やはりこの国の食文化にくじらは欠かせないからだろう。くじらは美味しいし、くじらを食べることをよその者にとやかく言われる筋合いはない。歴史ある食文化が伝えてきた食べ物を、何人に責めることができよう。
同じ理由で、韓国の犬肉料理もれっきとした食文化である。主にポシンタンという鍋料理として食べられるが、ずいぶんとほかの国から冷たい目で見られているようだ。犬は長らく人間の友達だとかきれいごとを言うが、野犬捕獲員に捕らえられ夥しい数の犬を殺処分している多くの国は、犬肉として輸出するのが建設的ではないかとさえ思う。もちろん韓国の犬肉料理に用いられるのはどの犬でもいいわけではないが。
韓国へ行ったとき、旅館の主人に教えてもらい裏通りにある犬肉料理店へ出かけてみた。ちょうどソウルオリンピックの直後で、体裁のためにポシンタン(保身湯)はヨンヨンタン(栄養湯)とか、クンガンタン(健康湯)とか芸名を付けられていたので、いくらハングルの読める私でも現地民に聞かないとわからなかったのだ。そして料理がテーブルに運ばれ、鍋の蓋を開けた瞬間の衝撃は忘れられない。犬の足の部分と思われる肉が並び、ゼラチン質の肉の表面に犬特有のブチ模様の名残りが見てとれたのである。
しかし濃厚な味わいはとても旨く、赤味噌が効いた最後の雑炊のまったりとした深みのある味は病みつきになりそうだった。日本の土用うなぎのような食べられ方をするそうだが、それも頷ける精力のつきそうなパワーメニューだった。以来韓国へ行ったら必ず食べようと思ったが、その後一度行っただけで、しかもそのとき食べた店は前回ほど美味ではなかった。どんな料理にも旨い店とそうでない店があるものだ。現地民のガイドはさすがだったというべきか。
沖縄で該当するのは山羊汁になるだろうか。山羊汁のクセのある味はかなり有名(内地人にとっては悪名高いというべきか)だが、実はその陰に隠れているディープ汁がまだあるのである。牛汁、馬汁、アヒル汁などである。アヒル汁などは単なるゲテ物ではなく、ぜんそくや咳に効くらしいのだ。 (写真は那覇市辻にあるあきそばの馬汁)
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