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2006/04/13(木)
非常識列伝 その2
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採用の担当をしていると、些細なことでも見逃さなくなる。応募者の言葉遣いやちょっとした行動から、心身のほころびが露呈することもあるが、さらにこちらから核心をついた質問を浴びせることにより、短時間で短所や長所を見つけることもある。まず履歴書の時点で選考は始まっている。水商売の場合は学歴はほとんど重視せず、それより履歴書の書き方がちゃんとできているかの方が重要かもしれない(笑)。字が汚い(下手ではない)のもマイナスになるが、悪い例としては前の仕事を辞めた理由に、わけのわからない自己本位な理由を言い訳がましく書いている人物がいたが、そういう人はその時点で「要らない」になる。
きのう書いた例は印象的な非常識の一例だが、実はそれらはまだいい方であって、下には下がいる。面接に臨む身なりがなってない者や、時間を守れない者、忘れ物をする者などがいる。さらに酷いのになると来ないのがいる。中洲などは狭い島であるから、そういう人物は系列店では今後一切門前払いだし、組合を通じて問題児とされる場合もある。個人情報保護云々という最近はどうなったかは知らないが、夜の中洲はある意味治外法権の島だけに、おそらく大差はなかろう。遅刻や無断欠勤の罰金が何万も取られることはザラな世界だけに。
逆にこちらが来て欲しいと思っているのに、連絡が取れなくなることもある。先方から断られるのはいいとして、働かせてくれと来ておいてなしのつぶてというのも閉口する。ナイトビジネスではよくあることだが、そういう者はどこへ行っても人から信頼されないままだろう。
採用を担当していると悪いことばかりではなく、数は少ないがいいこともある。自分が面接して「これはいける」と採用した男が、やがて自分の店や他の店でマネージャーなどを務めたり、将来的に店長になったりすると嬉しいものだ。コンパニオンでも、店が人件費を気にするようになるほど稼げるようになれば、手痛い恩返しになる。しかし苦労して仕事を教えたり、障害にぶつかったとき食事をおごったりしながら手塩にかけて育て上げ、指名上位になったり稼ぎ頭になったりしても、つまらぬ男にひっかかりある日突然逃避行同然に姿を消すようなこともわりとよくあり、なかなか報われない仕事だったりする。 (写真は中洲多門ビル裏手あたりの氷店)
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