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2006/04/28(金)
このご時世に値上げとは
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マクドナルドが5月中旬からまた値上げするらしい。メニュー55種類のうち32種類を値上げするそうだが、さすがに80円のハンバーガーや100円マックのシリーズなどは据え置くという。要は客単価と利益率の低さを上げる狙いのようだが、今マックに集る客のほとんどが求めるのは安さであろうから、値上げすれば客が離れるばかりだろう。
最近では営業形態にも変化が見られ、福岡ではうちの近所の箱崎店は24時まで、吉塚店が2時、ほかに市内では原店が3時、天神店は4時までも営業している。ファミレスやリンガーハットですら、22時以降は深夜料金を乗せているわけで、つまり人件費の上がる夜間はそうでもしないと利益が上がらないであろうに、単品80円からのマックで深夜料金も取らずに営業して、儲かるはずがないのは明白なのだが。
だからといって、即値上げでは客はついて来ないだろう。深夜営業している店舗の近くを夜中によく通るが、客はほとんど見られない。酒も出さない店に夜、客を集めるのは難しいだろう。その昔、多くが24時間もしくは明け方まで営業していたミスタードーナツやリンガーハット、ロイヤルホストなどはほとんどが、今では早じまいするようになった。
中洲あたりの夜の店でもそうだが、料金システムをコロコロと変える店は客が離れていく。原価が上がったとか説得力のある理由ならともかく、どこで利益を取ろうかと画策する値上げには客も敏感になるものだ。十数年前にマックが日本上陸20周年とやらで、ハンバーガーを期間限定で100円で出したときは、7個やら8個やらまとめ買いする客が並んだものだが、それはそれまでハンバーガーは180円するものだと消費者が認識していたからで、もはや80円が当たり前となってしまった今、値上げは首を絞めることになり、逆に値下げしても驚かれることも殺到することもなく、どうにもならないところまで来てしまったというのが現状だろう。
今の苦境を脱するためには、魅力的な新商品の開発しかないように思うが、エビとかベーコンとかトマトとか、他社のメニューのレプリカの繰り返しでは望みは薄い。むかし働いていた者としては巻き返しを期待しているが、当時に比べると店舗数は十倍以上にも膨れ上がり、従業員の質も味も相当低下しているのは否めず、現状維持が目一杯にしか見えないのは寂しい。
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