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2006/05/09(火)
冷凍みかん
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女性3人組デュオGTPの歌う「冷凍みかん」という曲が、静岡あたりから話題となりヒットしている。ビニール容器入りのお茶(私の世代は陶器の時代は知らない)とともにかつて電車旅の定番であった冷凍みかんだが、この曲のように楽しく歌われることにより、記憶の片隅から甦った人や食べたくなった人も多いだろう。
「♪虫歯の歯にはしーみーるー」というようなユーモラスな詞もヒットの一因だろう。曲調が「おさかな天国」をイメージさせるものであることや、デビュー曲が吉田拓郎のカバー曲「春だったね」であることなどから、初めからウケ狙いのモチーフだった可能性は濃厚だが、日常にあるものの中から誰も手をつけなかったことを取り上げた視点は評価できる。何十年経っても、ラジオやテレビ、街角の世間話などで冷凍みかんの話題になると、きっとこの曲が思い出される機会は多いだろう。
私は氷の擦れ合うザラザラという音を聞くのも嫌で、紙コップジュースの氷を噛んだりは絶対にしないので、冷凍みかんはそれほど好きではないのだが、背景に「旅」や「電車」、「車窓」などがあるだけに嫌いではない。今度電車で旅に出るときは、買ってみようかと思うほどヒットに影響されている。こうして冷凍みかんの売上は上がるのだろう。
人それぞれ物に対してイメージというものが付き纏うと思うが、私にとって冷凍みかんは赤いネット入りで、上野駅のキオスクをなぜか思い出してしまう。それも東北本線のプラットフォームというイメージなのだが、GTPのプロモーションビデオでは都心の通勤電車風の長椅子の車両が出てくる。そんなことを思っていたら、東海道線の普通列車でおなじみの113系(オレンジ・緑の車両)が引退したらしい。同じオレンジ色の冷凍みかんは、せめてもっと先まで残っていてほしいものだ。
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