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2006/08/13(日)
コーレグースが欲しいとき
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空腹になり冷蔵庫を見ると、日付の迫ったゆで麺がある。ダシを取るいりこや魚粉はあるものの、いかんせん具がない。とろろ昆布さえ切らしてしまっている。仕方ないので、沖縄で買ってきたレトルトの「中身汁」を使い、その中に麺を入れることにした。具にもなるしダシを作る手間も省ける。中身汁とは沖縄の伝統的な料理で、汁物の代表的な一品。豚の内臓を茹でたものを薄い塩味のスープで食べる。薬味にはしょうがと、沖縄特有のコーレグースを用いる。
写真のように見た目はまずまずだったが、結果的に失敗だった。まずは味が弱すぎるので七味とうがらしを加えたが、塩味にいまいち合わない。ゆずごしょうの方がましだったかもしれない。郷土料理には相応の歴史があって、やっぱり中身汁にはコーレグースが抜群の相性なのだ。コーレグースとは、島とうがらしを泡盛に漬け込んだ調味料。料理に加えると、辛さとアルコール的な熱さとがあいまって独特の深みが出る。
そもそも中身汁とは、泡盛などで二日酔いになった翌朝など、さっぱりしたものが食べたいときの軽い料理。沖縄では美味しい中身汁が調理できれば嫁として認められると言われるそうだが、シンプルゆえに難しい料理かもしれない。細麺のうどんと合体させることで関西のホルモンうどん的なものを期待したのだが、秋田のしょっつる鍋並みに味が弱く、塩分がうどんまで届かない。そして中身汁の具には太めの糸こんにゃくがあり、それが細麺のうどんと同じくらいの太さで時々違和感を感じてしまう。
やっぱり餅は餅屋、カエサルのものはカエサルに、島料理にはコーレグースである。日々暑くなればなるほど、暑い地方の料理や味付けが恋しくなってくる。我が家の食糧庫には、てびち汁、ソーキ汁など島料理がまだまだ残っている。コーレグースも仕入れなければならなくなりそうだ。
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