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2004/07/16(金)
世界一の「どちん」
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季節や場所を問わずホテルに泊まって困る事のひとつに、慣れない空調と慣れない枕との戦いがあります。どんなに広くて寝心地の良いキングサイズベッドでも熟睡はできませんでした。
眠気覚ましに広いバスタブに熱い湯を張って身体を沈めると、固まっていた身体中の筋肉に血液が流れ出す感覚に包まれて「おっしゃ!朝飯食うどー!」と食欲が湧いてきました。
1階カフェテラスに降りると入り口に世界一の朝食メニューが飾られていました。ここ(店名:イグレック・プリュス)では朝食コースだけを食べに来ることもできるそうです。ただし値段は朝食と思えんぐらい高…げふんがふんごふん。
【本日の朝食メニューはこんな感じ】 1.フルーツジュース 2.ポットごとたっぷりのカフェオレ 3.クスクスとレーズンのココナッツミルク煮込み 4.紅茶の香り付けハム 5.岩塩で食べる半熟ボイルドエッグ 6.ヨーグルト 7.プラムの紅茶煮 8.アメリカンチェリー 9.パンいろいろ5種類 10.ドライフルーツケーキとフィナンシェ 11.フランボワーズショコラ、ドライフルーツミックス、杏と紅茶のジャムあわせて3種+バター+栗の花ハチミツの合計5種類
「残さず食うどー!」と意気込んだもののパンがやたら多くて多くて(汗)お約束どおり残して持ち帰りとなりました。そうそう初めて栗の花のハチミツを口にしたのですが、下世話な噂話に聞いていたような微妙に頷ける匂いがしました(死)栗の花の匂いは直に嗅いだことがないので断言はできませんが、ハチミツは確かにムスク系の香水みたいな香りです。ハチミツそのものは大好きでも独特のクセがあるので好みが分かれるところかもしれません。
このメニューの中で特筆すべきは茹で卵のカラのむき方です。エッグスタンドに立てられたタマゴのてっぺんに、スチール製の重いアンテナ付き帽子のような装置を被せ、そのアンテナみたいな棒に沿って上から重い玉を数回落とします。すると被せていた帽子のフチがタマゴのカラに丸い亀裂を作ってくれるので、それをカッポリと外してからスプーンで中身を掬い取って食べるといった段取りです。以前TVで見たことのある、ヤットコというかハサミみたいなエッグカッターとは全く異なる形状でした。
ウエイトレスさんの説明では「お召し上がりの際は、この玉をコツン♪と数回落として下さいませ」ということでしたが、あちこちのテーブルから聴こえてくるのは明らかにどちん!……どちん!という気合の入った音です(爆笑)
もはや我々夫婦の頭の中では「エッグカッター」というこじゃれた名前はとうに消え失せていました。もしゆで卵のお代わりを頼んだとしたら「すみませんが、どちんもお願いします」と頼んでいたことでしょう。実際チェックアウトの後でホテルの向かいにあるアメニティグッズ直営店を覗いた時も、何の違和感も無くショーケースを指差しつつ「どちん売ってるやん」の一言でお互いに通じたぐらいです(笑)
昼からは神戸港巡りの船に乗り、夕方からは垂水のアウトレットモールでバーゲンセールを満喫。旅の締めくくりにと地元の居酒屋で食事を済ませてから家に帰りました。
入浴後は疲労困憊で布団に倒れこみましたが、連れ合い共々思い出せるのは「どちん」のことばかり。思い出してはツボに入ってしまうので、腹を抱えて笑いながら気絶するように眠りました。
神戸は普段なら当たり前に日帰りできる場所ですが、ちょっと視点を変えてみると新たな発見がいっぱいで実に良い小旅行となりました。
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