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2008/12/07(日)
Dグレ新刊ネタ、ロビンを移植してみた
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耳鳴りの様な銀糸の海に身を浸して、色の無い空を見上げる。 「……うっ」 呻きと身動ぎの音が聞こえ、建物の隙間に出来た雨の中らない空間をロビンが覗くと、長めの刎ねた赤髪を、さらに紅く染めた青年が起き上がろうとしていた。 「動かない方が良いよ、結構重傷なんだからさ、クロス・マリアン牧師」 話し掛けて来た、予想外の人物に、クロスは目を見開く。 「お前、伯爵の……」 「友人のロビンだよ」 あっさり答えるロビンに、クロスは眉根を寄せる。 「伯爵がしろと言ったのか?」 「そんなこと言うわけないじゃん」 笑いながら言うロビンに、クロスの顔つきはさらに怪訝そうになる。 「そんなことして大丈夫なのか?」 「別に僕は伯爵の仲間だってわけじゃないだよ、ただやることが無いから手を貸してるだけ。 君達んとこのブックマンと同じ、限り無く中立に近いんだよ。 ……まぁこれからは君もか」 これからのことを考えると、クロスは頭が痛くなる思いだった。その刹那、腹に結構な衝撃を感じ、見ると一丁の銃がそこにはあった。 「咎落ちされたら意味が無いから、断罪者は置いて来たよ。 まぁそれは、気休めの護身用に持ってきな」 「何故此処までする?」 クロスの疑問に、ロビンはくすりと笑って答える。 「君にこんなところで退場されるとつまんないからね。 君にはラストワルツを踊ってもらうよ。それまで壁際で休んでても良いけど、ダンスホールを出ることは許さないからね」 ロビンに、深緑の瞳で言った。
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