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2005/10/08(土)
紅い繭
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お父さんが不思議な繭を拾って来た。 今その繭は、僕の玩具箱の中にある。僕が気に入ってよく触るので上の方に在る。 その繭は見た目はお蚕さんの様だけど、妙に軽く、振っても何の音もしないから、もしかしたら空っぽなのかもしれない(中身が入ってあたら音が鳴るかは解らないけど) 僕は飽きもせずに毎日その繭を見ていた。 そんなことをしているうちに、僕は色々なことに疑問を持つ様になった。 何故人の物は自分の物じゃないんだろう? 何故人は愛想笑いをするのだろう? 何故皆の物は誰の物でもないのだろう? 何故・・・何故・・・何故・・・ ふと、おれはあることに気付いた。 疑問が増えれば増えるほど、繭は大きくなっていた。 日に日に疑問は増え、どんどん繭は大きくなった。 そして、気付いたら、おれの家はなかった。
・・・・・・・・・・ 突発文 普通に書くほどのモノでもないと思ったので日記に書いてみました 安部公房の「赤い繭」のパロというか、その後というか、その前というか、そんな感じ(笑) 「赤い繭」は現文でやったんですが、奥深いっ!!! 話全体が比喩になってて、不可思議ワールドですよ 安部公房の作品は初めて読んだんですが、一通り読んだ時点で安部公房を尊敬しました、こんな文が書きたい! 安部公房の作品は複雑で、ほとんどの学校で、教科書に載っていても教えるのを避けるそうです。それにトライしたうちの国語科の先生に拍手!これをやろうと言い出した先生に感謝したいです、例えあの人でも!! 安部公房の作品は、世にも奇妙な物語に出て来そうな話らしいです(てか実際「箱男」とかいう作品が世にも奇妙に出て来たとか) こないだの世にも奇妙・・・まだ見てない・・・ 安部公房の作品、他のも読んでみたくなりました
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