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2004/11/08(月)
ガンダム
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絶賛放映中?の「機動戦士ガンダムSEED デスティニー」。 毎回、戦ってばっかり。 まあ、下手に薄っぺらいドラマや、作り手が織り込む幼稚なテーマを見せつけられるよりはいい。
そもそもの事の起こりはこうだ。 「無敵超人ザンボット3」はサンライズ初の自社製作アニメ。 おもちゃ会社クローバーが提供で、3機のメカが合体する巨大ロボットアニメだった。 内容は少々エキセントリックだったが、おもちゃは売れたので、次に「無敵綱人ダイターン3」が製作された。1体のロボットが3タイプのメカに変形するロボットアニメだ。 それがまた順調な結果を残した上で、翌年製作されたのが「機動戦士ガンダム」だ。 3機合体、3段変形の次に、クローバー=サンライズが用意した趣向は、3機のロボットチームの活躍である。 ガンダムとは元々そういうアニメだ。 幼児に合金玩具を売るのが主な目的だった。
おもちゃ会社と代理店をうまく騙し、合体ロボ番組の枠であのガンダムは作られていった。 途中、おもちゃが売れないために、パワーアップパーツを登場させたし、敵のヤラレメカも「毎回、違ったものを出すように」とスポンサーサイドから要求され、後半、1、2話の割合で敵が新メカを繰り出すようにもした。 おもちゃの売れ行きはそういう努力もあってか持ち直したが、途中から製作を中途で切り上げる予定で進行していため、1年に満たない形で放映は終了した。 マニアックな事をやりすぎて、打ち切りになった番組という印象があるが、結果的にはおもちゃ会社の要望にもキチンと応えた番組だった。
ファーストガンダムの本質は、おもちゃ会社主導による手垢にまみれたモノ作りへのレジスタンスだ。 そういう事に甘んじてきた人間たちの怨念が、噴き出した結果だった。 監督の才能の爆発、それに応えた脚本家チーム、そしてデザイナー、作曲家らの才能が見事に化学反応を起こした。 初期の東映実録やくざ映画のような奇跡とも言える。
時は流れ、ちっぽけなプロダクションの試みたレジスタンスは、いつしかアニメ業界の本流となり、気が付けばガンダムは巨大なビジネスとなった。 今やサンライズ自身、最大手おもちゃ会社バンダイの子会社だ。。 プラモデルとDVDを売るために、「小さな子供には理解できない」程度の物語を紡ぎながら、ガンダムという名を冠されたロボットが今日も戦う。
このどうしようもない現状をうち破るような面白いレジスタンスが、今後も作られ続けるであろうガンダム・シリーズの中から出てくるのだろうか? 少なくとも今のSEEDのメインスタッフには無理だろう。
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