サンダーボルトマーケット店主日記
サンダーボルトマーケットは引越しました(2008.9.10)
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2005/01/02(日) 捨て猫
数ヶ月前、家の近所で黒い小さな野良猫が鳴いていた。
げっそり痩せて骨張っていた。
首輪付きだ。
で、そいつはどうも目が見えないらしい。
人間の気配を察知するや、寄ってきては助けを求めるかのごとく
ニャーニャーと足下にしがみついて鳴く。

その猫を可愛そうに思った人が他にもいたみたいで、
そいつの近くに、紙皿に猫の餌が山盛りになって置かれていた。
いや、ひょっとして病気の猫を路上に棄てた飼い主の、せめてもの餞別なのか?

ともあれ、盲目の猫が路の真ん中で鳴いている状況はいただけない。
なんとか連れ帰りたいが、うちにも猫がいる。
神経質な奴だから、他の猫との同居は不可能。
おまけに外の猫が持っている病気も心配だ。
どうすべきか?

悩んだ末、今度見かけたら動物病院に連れて行こうと思い、
断腸の思いでその場を去ろうとした時、
若い男がその猫の鳴き声に足を止めて、心配そうになではじめた。
「頼む、お前が飼ってやってくれ…」
そう思った。

で、昨日。
その場所の電柱に、あの猫の写真が貼られていた。
飼い主を捜すための張り紙である。
パソコンで作られていて、雨風に耐えられるようにラミネート
してある。
その張り紙の内容からするに、あの猫は病院に連れて行かれ
色々面倒をみてもらったようだ。
だが視力障害は残っているらしい。

よかった。あの若い男なのか?
ともあれ、よかった。
棄てる神あれば、拾う神ありだ。


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