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2005/01/22(土)
ブンゲー
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なぜだか、今頃になってゴールディングの「蠅の王」を読んだ。 オーストラリアへ出発する直前、空港の本屋さんで なんでもいいから文庫を買っておきたくて、 急いで、とりあえずガバッと手に掴んだのがそれだったのだ。
閉鎖された空間で子供たちが殺しあうという、 「漂流教室」や「バトロワ」の原典。 先にやった者勝ちとはいえ、描かんとするテーマと キャラクター配置に唸る。 さすがは世界中で読まれている古典中の古典、という感じだ。
小学校の頃、図書館にあった子供向けに再編集された SF小説を片っ端から読みまくった。 地底世界ペルシダーとか、宇宙船ビーグル号とか、人形つかいとか。 兄貴が早川文庫ばっかり読んでいた影響もあった。
中学の頃は立ち上がったばかりのソノラマ文庫や眉村卓。 高校にもなると、古典的な海外SF小説や平井和正あたりに没頭。 さすがに「幻魔大戦」は途中で放り投げたが…。
SF小説ってのは、時に現代社会の映し鏡になる。 人間そのものを高い視点から府監視するような要素があったりする。 センス・オブ・ワンダーなんて題目よりも、SFのそういうところが好きだった。
20歳前後の頃、ある日、友人に言われた。 お前の本棚はマンガ含めて「戦ってるもの」ばかりだな、と。 自覚はしていなかったが、確かにそうだ。 徐々に、そういう方向へ針が振れてしまっていたのだ。
思春期あたりに、地に足のついた一般的な文芸に目を通していたら、 人間としての成長の仕方も少しは変わったように思う。 死んだ子の歳をかぞえるような感じで、なにげに悔しい。 まあ、学校でもっと勉強しておけば…ってのに近いですわな。
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