|
2006/04/06(木)
泳ぐひと
|
|
|
物凄く久しぶりにバート・ランカスター主演の「泳ぐひと」を見たのです。
「イージーライダー」と同じ68年の映画で、ニューシネマの傑作と誉れ高い、異色中の異色ドラマ。相変わらずトンデモナイ話で、味わい深く、そしてホラー映画ばりのオチや、仰々しいM・ハムリッシュの音楽がたまらない訳です。
昔はそこそこ評価の高い作品だった訳ですが、インターネットな世の中が到来してしまうと、これを最近初見したような人からは結構ツマラン&クダランとばっさり切り捨てられていたりして、「うーん…」という感じ。
確かに「泳ぐひと」をニューシネマと定義すると、その当時の空気抜きに見てしまうと、狂人の放浪記以上でも以下でもありませんが、それにしたって、脚本構成、撮影、編集、音楽、バート・ランカスターの存在感が渾然一体となった映画的インパクトたるや、なかなかに凄いとは思うのです。
ネット上でこの作品をコキおろしている人たちだって、おそらく海パン姿のランカスターの姿が脳裏に焼き付き、なかなか忘れる事ができないのでは?と。 この映画はそういうところが素敵な訳です。
例えばネット上じゃ、オリジナルの「エクソシスト」は、特撮がショボくて、怖くない映画という風に言われ放題な昨今。 「バーロー、あれはフリードキンの演出を楽しむ映画だ!」 と何度モニター前で怒鳴りそうになったか。
過剰な味付けの食事ばかりを摂っていると、和食の微妙な味付けが理解できなくなります。 特に90年代以降の“見たまんま”な映画。 糖分と塩分と脂肪分だけで出来ています。 こりゃ絶対、体と脳によくありません。
|
|
|