|
2006/06/04(日)
追いつかなくっちゃ!
|
|
|
TV版「機動戦士ガンダム」レビュー
第15話「ククルス・ドアンの島」 脚本:荒木芳久 演出:斧谷稔 作画監督:鈴木一行 初回視聴率:3.4%
シリーズワーストの声が高いながら、意外とファンも多い問題作です。
冒頭、不時着し負傷した連邦兵2名から武器を奪い取り、治療もせず縛りつけ放置して間接的に殺害。この時点でドアンや子供たちに感情移入は不可能。
戦災孤児たちを殺せと上から命令されたというくだり。子供たちは何かジオンの秘密を握っているのか? まさか「素体」を見たとか?いや、それは別の番組だ…。
女子供も皆殺せ、というある意味リアルで血なまぐさい話なのか、旧態依然とした悪の組織としてジオンが描かれてるだけなのか? どららだろうと考えると、後者の匂いがします。
結局のところ、武器を使って子供たちを守っていたドアンが、武器を捨て去る事で、本当の平和を得ることができるだろう、というお話なのですが、そんなもん、ザクなんて目立つものに乗って逃亡兵やってる事自体が最初からおかしい訳で、ガンダムでザクを海に捨てるアムロを「正しい」と言い切るドアンが、逆に間抜けに見えてきます。
お前、今頃気付いたのかよ?と。
反戦テーマとザクに乗った逃亡兵というモチーフが、噛み合いそうでまったく噛み合っていない残念なエピソードと言えるでしょう。
といっても、この時代の巨大ロボットアニメには、この程度の一貫性に欠け、理屈の通らない脚本はゴマンとあった訳で、ガンダムだからそれが殊更浮き彫りになる訳です。
で、一番の問題は「イセリナ、恋のあと」でもイマイチな仕事をしてしまった荒木脚本よりも、むしろこの回の演出と絵コンテを富野監督自身が手掛けている事です(斧谷稔の名義)。
前回とは違う角度から、ジオン兵を掘り下げてみようと思ったのでしょうか。総監督の意思がある程度介在しているとはいえ、作劇、作画等、技法的な面においては弁護の余地が無い事をあらためて確認した次第です。
いや、ファンの方々、すいません。
<その他> ●四つんばいのガンダムから、コアファイターが発進するというレアなシーン登場。
●偵察機ルッグンにぶらさがって島へやってくる悪いザク。我が目を疑う光景です。これにくらべりゃドダイYSなんて実現可能に思えてきます。
●ドアンはじめ今回のゲストキャラは、とても安彦氏が設定画を描いたようには見えない人たちばかり。誰か他の人が書いたのか、単に作画が崩壊していただけなのか。ともあれこのエピソードに対する違和感をキャラ絵が助長させていることは間違いありません。
<今回の作画> ●ドアンの島へ行くまでは割と良好。ザクVSザクの格闘戦という珍しいシーンが見れますが、作画がもうメッタメタで…。
<今日の波平> なし!
|
|
|