サンダーボルトマーケット店主日記
サンダーボルトマーケットは引越しました(2008.9.10)
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2008/09/09(火) 81年版の月光仮面
で、昨日の続き。

先日、「ザ・ライダー」と併せて、どうしても気になったので
「月光仮面」(81)のVHSを購入。5000円もしたことは秘密かも。

いやしかし、この映画、日本映画史どころか特撮映画史からも抹殺されかかってます。
という事で火急的すみやかに保護した次第。

この作品、今から20年くらい前にビデオで観賞。その安い内容に当時唖然とした記憶があります。

で、今回あらためて観たんですが、やっぱり絵面が安い、演出へぼい、編集ブツ切りすぎ、音楽ダサい、と色々ナイナイづくしでした。

でも、これまで数々の邦画スタッフが「大人向けヒーロー映画」作りに挑戦し、無残に玉砕してきた歴史をふり返ると、この「月光仮面」はまだマシ!と思えてしまうから不思議なんすよ。

結局、この手の映画は瑣末なディテールにばっかこだわって、ドラマがお粗末…ってのが王道パターンなんですが、本作はドラマパートは結構濃いのです。

本作が作られたのは80年代初頭。
そう、ツッパリやら竹の子族やらなめ猫やらアイドルブームやら、日本の若者風俗が超チャラチャラしてた頃ですわな。

そんな時代に月光仮面が復活して、一体何と戦うってのよ?

原作・脚本のみならず音楽までも手掛けるという力の入れようの川内康範先生は、なんと人民寺院やオウムを連想させるカルト組織「ニューラブ・カントリー」教団なる悪を設定してます。

彼らは理想郷の建築のためレッドマスク団と名乗り、次々強盗事件を起こします。で、どこからともなく現れた月光仮面が、それに立ち向かうというストーリーが展開される訳です。

本作、志穂美悦子、地井武男、山西道弘、ジョニー大倉、ガッツ石松らがメインキャストですが、なんと全員カルト教団のメンバー。
カルト教団と警察、双方の視点を軸にドラマが進み、時折、バイクに乗った月光仮面の活躍を描くという趣向で、ヒーロー映画としてはかなりユニークな脚本構成ですね。

川内作品の毎度のテーマであるヒーローによる"無償の愛"の裏テーマとして、悪役であるカルト教団に身を置く主要キャラたちの葛藤を描いている訳で、色々とぎこちなかったり、呆れたりする箇所もあるんだけど、なんだかかばいたくなってしまう真摯な作りです。

で、この作品、志穂美悦子的にも非常に重要な作品でして
意外にもあまりアクションシーンがなく、もっぱらドラマ演技に専念してます。

あと左翼ゲリラくずれの教団幹部、地井武男もドラマ的に見せ場満載で、ほぼこの2人で物語が回っております。うーんつくづく斬新な脚本。そもそも月光仮面の正体なんて、どうでもいい状態ですし。

おっと、そろそろ眠いので続きは明日に。
いや、バイクが凄いんですよ、この映画!


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