サンダーボルトマーケット店主日記
サンダーボルトマーケットは引越しました(2008.9.10)
http://www.macleod.jp/tbm.htm
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2009年1月
前の月 次の月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
最新の絵日記ダイジェスト
2009/11/28 店主日記の引っ越し
2009/11/25 ドッグ・ソルジャーの日記?
2009/11/24 タクシードライバーの日記その16
2009/11/22 タクシードライバーの日記その15
2009/11/20 タクシードライバーの日記その14

直接移動: 200911 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200812 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200712 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200612 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 月  200512 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  200412 11 10 月 

2009/01/19(月) 馬鹿映画
そろそろ「感染列島」の感想でも。

以下ネタバレなので、観る予定の方はスルーしてください。



●どう見てもエボラ出血熱な症状なのにインフルエンザだとか…
 つーか、なんで今ごろ「ホットゾーン」でもあるまいし。
 最後、奥地のコウモリの中からホスト発見ってところも「ホットゾーン」からの戴きですな。底が浅過ぎて、もうね…。

●感染者に格差
 佐藤浩市→一応は吐血有り
 国仲涼子→つるんつるんな死に顔
 無名の感染者たち→豪快に吐血、そして目から血ダラーーー

 最後、壇れいも感染して死亡。なんでメインの女優はキレイに死ねちゃうんだよ、どんなウィルスなんだよ、ありえねーよ!…と心の中でツッコミを入れてたら、ご臨終の壇の目から血の涙がスゥゥゥーーっとw

「血ぃ、出すんかいっ!」とダブルツッコミ。
 マジでここは笑えました。

●ウィルスパニックのシミュレーションとか、メディカルドラマとか、そういうものかと思わせつつ、南の島のロケパートでは感染者の群れが妻武器くんを襲撃。
まるで「ノストラダムスの大予言」のニューギニア食人族を思い出させました。なんでもありの幕の内弁当みたいな映画は否定しないけど、だったらあんまシリアスな映画のフリをするなと。

お話も後半に入った頃「実はこれ、何でもありの映画なんです」と宣言されてもなぁ…。

●(何故か)日本だけがパンデミックでしっちゃかめっちゃかになってる中、普通の神経してたらウィルスに「ブレイム=天罰」なんてネーミングつけませんが。ここはもの凄く違和感。

かっこいい名前思いついちゃった!と制作サイドは御満悦だったんでしょうかね。まあTBSらしいと言えばそうかも。

●で、病院の中でお話が進行し、時々、都市がえらいことになってます!的なCGカット、そしてテロップ。
たまに院外にロケに出たら、商店街の真ん中とかで車が横転してたり、紙くずが風に舞ってたり。

なんでそーなるのか、想像がつかない訳です。
パニックの経過がまったく描かれず、テロップだけで何人死んだみたいな事言ってもねぇ。

映画ってのは台詞じゃなくて絵で見せろ!とは良く言われますが、CGカット1枚で未曾有のパニックの経過を説明しようなんて愚行、今まで見たことありませんわ。

つまり「復活の日」って、マジでがんばってたな、という事です。

●そもそも、このウィルスが空気感染なのか、飛沫感染なのか明確に描かれてないし。
空気感染じゃないと、エボラ同様殺傷力の強過ぎる天罰ウィルスの全国拡散はちょっとありえそうにない。

でも飛沫感染という事にしておけば、主役クラスがマスクなしで治療最前線で活躍しててもオッケーかも。さてどーしよ?

作り手側のそんなとまどいが感じられました。
要するにあんま真面目に天罰ウィルスの設定を考えてないだけなんすけどね。

●ウィルスがらみは馬鹿馬鹿しいけど、じゃあ大幅に尺を割いてる恋愛描写はというと、妻武器と壇の絡みが始まると、雨とか雪とか桜とかが必ず降ってくる体たらく。
いや、笑えるっちゃ笑えるんですが…。

●クライマックス。発症し死にかけの壇in長野の元へ車を走らせる妻武器。

しかし途中でガス欠!えええええええ!そんな映画かよ!

やむなく車を降り、壇の元へ走りはじめる妻武器。
いよいよそんな映画かよ!

と思ったら次のカットで、壇のいる病院の玄関へ妻武器がふらっとジョギングしながら登場。ガス欠の意味がねーwwwww
ここもかなり笑いどころでしたね。

●で、ウィルスとの共生とか、林檎を植えるのがどうしたとか、なんかテーマっぽい事を言ってエンド。人口1割が死んでも、数ヶ月後にすっかり元通りの日本万歳。まるでたった1年で完全復興してた「さらば宇宙戦艦ヤマト」の地球みたい。

●そして映画の中身とまったく関係ないタイアップソングでエンドロール。こういうのは毎度毎度、心底ゲンナリさせられますね。

●ちなみにエンドロール、今どきのハリウッド映画だったら延々とCGオペレーターの名前の羅列が続くんですが、この映画はタイアップの会社の羅列が延々と続きます。ちょっと多すぎじゃない?

衣裳とか小道具とかロケ地とかでお世話になったところですわな。タイアップが延々出るって事は、要するに画面に映っていたもの、借り物ばっかりって事です。南無…。

●で、実は猛烈にこの映画に腹が立ってます。
内容がウンコだったからだけじゃありません。

この映画、監督と脚本、同じ人です。別々の人間だったらフォローも出来ますよ。

「脚本がゴミすぎて監督はあれが限界だったな」、とか。

でも同一人物なのでどうにもならない。50前後のイイトシしたおっさんがこんな馬鹿丸出しな映画作ってんじゃないよ、と。

しかも、この映画、原作なしのオリジナル企画ですよ。
今どき珍しい。

それに、TV局のサラリーマン演出家が鼻くそほじりながら作った映画もどきなら諦めもつきますが、この脚本&監督の方、筋金入りの映画畑ですからね。

今の邦画界からするとオリジナル企画という破格の大舞台を与えられてこれかよ…みたいな。まあTBS側からの横やりもあったんでしょうけど、演出も酷いんだからフォローしようがないし。

こじんまりした映画は得意だけど、エンタメはからっきしだよ三級品♪パターン。80年代、ロマンポルノで自己主張して褒めちぎられたディレクターズカンパニーの監督さんたちが、ことごとくエンタメ映画で自爆してましたが、あの頃からまったく状況変わっておりませんな邦画界。

いやほんと、「感染列島」と比較すると、「片腕マシンガール」って大傑作だったんだな、と痛感しました。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.