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2009/06/18(木)
スタートレック
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なんだか物凄く久しぶりに映画館へ行った感じがします。
「スタートレック」。 恒例、ネタバレですので、これからの方はスルーお願いします。
●冒頭、カークのお父さんがロミュラン艦に船ごと勇敢に特攻。 しかしその特攻、敵をひるませるとか、足止めに役立ったとか そういう描写がないもんだから、意味不明。
勇敢なキャラクターが特攻するってのはお約束シチュエーション ですが、特攻の必然性を描いてもらわないと。
のっけから雑な脚本(or 編集)だなぁ〜とまずファーストインプレッション。
●子供時代から現在のカークの日常シチュエーション。 どちらもタイアップのやかましい挿入歌がガンガン流れて興ざめ。 「スタートレック」クラスの映画くらいは、その手の呪縛から解放されないものか?
●キャラクターはスポックが断トツ、はまっている。 ヒロイン扱いのウーラはキャラとして扱いあぐねている印象。
むしろいなくてもいいんじゃね?
ウーラは空気、ヒロインはゲストキャラっていうのがいいと思いま〜す。
●お話は飽きさせずぽんぽん進むんだけど薄味。 スタトレお得意の意味不明科学うんちく度も少ないし、キャラクターに課せられた深いテーマがある訳でもなく、ただの冒険アクションっすな。
ロバート・ワイズ監督版みたいに構えすぎて退屈な映画にしろとは言わないにしろ、もうちょっと何かあってもよさそうなのに。
そう言いつつ、私の一番好きなスタトレ映画「カーンの逆襲」は、 ディテールは色々と面白いんだけどお話は結構薄味。 あまり今回のリメイクを責められないのですな。
●我々が今まで見てきた「スタートレック」世界とは微妙に歴史が変わってしまったパラレルワールドを舞台にして、カーク船長以下エンタープライズ号クルーの新しい物語が始まる…という設定は、オリジナルへのリスペクトとシリーズ仕切り直しの意味で、ナイスアイデア。
これは本気で感心しました。
●この映画自体は、それほど面白くはないんですが、やっぱりこの手のものはシリーズ2作目が上出来になればまあ良いのではないでしょうか。
今回は若いキャストを集めた完全仕切り直し。万全の態勢は整っているので、同じキャストで10年がんばれ!と言いたいですね。
●ただ、CGが相変わらずイマイチ。 また「バトルスター・ギャラクティカ」よいしょで申し訳ないのですが、あっちはTVスケールの予算で、実に面白いCGを見せてくれます。
シーズン3の4話、大気圏内ジャンプで強襲をかけるギャラクティカのシーンなんて、ほんの数カットの事なのに、感動的なカタルシスを与えてくれました。
そう、CGそのものが悪って訳じゃないのです。
この「スタートレック」は最近の「スターウォーズ」同様、3Dアニメ的な派手な見せ場が満載です。
ただやっぱり見せ方が即物的で、手垢にまみれております。 所詮、立体物を撮影せずすべてがプログラム。 リアル風な絵は作れるかもしれないのですが、リアル=“それってCGじゃん”感がいよいよ強まる訳で、やればやるほど泥沼みたいな。
ギャラクティカの場合、報道カメラマンが宇宙空間で撮影しているかのような絵で見せます。 だから手ぶれやピント合わせの小細工はあるにせよ、何をやってるのか一目瞭然な引きの絵でじっくり状況を見せてくれます。 宇宙空間で戦闘が行われたら実際はこんな感じだよね、的なリアリズムが実に見ていて斬新で、小気味がいい訳です。
ギャラクティカはとにかく“手ぶれCG”の印象があるものの、今流行りの手ぶれで何をやってるのか分からないって絵面とは実は間逆のベクトルです。この番組そのものが、おそらく手ぶれCGブームの一翼を担っているだろうに。如何にフォロワーが表面しか見てないかって事ですわね。
で、この「スタートレック」みたいな作品のCGは、漫画チックな動き、カメラアングルな上、手ぶれ風カットをガンガン挿入してスピード感や迫力を出そうとします。
結果、やっぱり何をやってるか分からないし、アニメの動きとして見るととっても古い。ぶっちゃけ四半世紀前の日本のアニメ以下ですよ。
いやまじで、ほとんどのハリウッド大作のCGアクションのコンテ割りは、アニメの観点で見ると、絶望的なまでにダサいのです。 だから不得手な部分を避け、報道カメラ風CGで全編統一したギャラクティカの賢明さを褒めたくなるのです。
あと、これは人によって受け取り方が違うでしょうが、合成の違和感がない高度なCGよりも、むしろ作り物感が残るミニチュア合成の特撮の方が、見世物としては面白いと思うのですが、如何でしょうか?
例えば「カーンの逆襲」の特撮カットなんて、今見てもカラフルで見ていて楽しくなるのですがね。 http://www.youtube.com/watch?v=iLuYJtlHYEQ&feature=related
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