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2009/09/23(水)
ドゥームズデイ
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昨日、急きょレイトショーで「ドゥームズデイ」を野郎4人で観賞。
なんでこの映画にこだわるかと申しますと、やっぱりここまであからさまにマッドマックス2やスネーク・プリスケンごっこを前面に押し出した作品は珍しいので、やっぱ私らみたいな世代が拾ってやらないとしょうがないだろうという義務感です。
以下ネタバレです。まあバレて困るストーリーなんてないですけど。
監督のニール・マーシャルは「ディセント」を観る限り、人物描写が不自由な方でいらっしゃるようなので、ある程度覚悟できてましたがな。
で、フタを開けたらとことんオマージュの嵐。 基本は女版スネークな「エスケープ・フロム・イングランド北部」。 もうリメイクって言っても問題なし。むしろ今からでも遅くないからカーペンター他権利者にいくばくかの金子を払いに行けと言いたいっす。
更に「世界が燃えつきる日」「要塞警察」「ウォリアーズ」「エクスカリバー」「マッドマックス2」的なシチュエーション、カットが連続。直近のものだと「28週後」か「バイオ2」あたりからのいただきも。
色々なものにオマージュを捧げるのはいいんだけど、タランティーノみたいに観客の遥か斜め上を行くんじゃなくて、ごくごく普通の80年代映画少年的趣味をひけらかされると、こちらとしてはちょっと気恥ずかしい訳で…。
で、この映画からオマージュを取り去ると、何も残りません。 あるのは筋立てからキャラ描写から、何から何までが幼稚な脚本(監督が書いたのさ)だけ。 主人公の描写なんて、もう80年代のOVAに出てくるキャラクターみたいな薄っぺらさ。主演のローラ・ミトラは好演してますけどね。
という訳でひどい映画なんですけど、アクション全般がライブに拘ってる分、意外と観ていられるのが驚き。 今風のガチャガチャかと思いきや、案外そうでもないし、追いかけっこのサスペンスの見せ方は悪くないかも。
主演女優のアクションシーンは流行りの手ぶれ、カットブツ切りで誤魔化してますが、そこはもうしょうがないっすね。
まあ「ディセント」も退屈しなかったので、この監督、技術的にヘボくはないし、某マイケル・ベイみたいな心のない演出家って事もありません。だから職業監督に徹して、大人になる機会が必要ではないかと。
ちなみに「ニューヨーク1997」を撮ったカーペンターは30代前半。 「マッドマックス2」を撮ったジョージ・ミラーは30代後半。
で、この映画の監督ニール・マーシャル、撮影時は38歳前後。 B級界の偉大な先人と比べちゃアレだけど、いい歳して何ごっこやってんの? 後輩にパクられるような事やりなさいと言いたいところです。
でもまあ、仮にこの映画の冒頭に黒澤明の「夢」と同様に、“こんな夢を見た”って一言スーパーが出てれば、オマージュ大会な内容&辻褄が無茶苦茶なストーリーにも納得できたかも。 「そうか、これは監督の脳内で展開されている夢なんだ!」みたいな。
とまあ、ボロクソ言ってるように見えるでしょうけど、一ヶ所ものすごく評価したい箇所。
この映画、48時間のタイムリミットもの。だいたいこの手の筋立ての物語って、その設定が案外巧く機能しないのです。本家スネークの2本も例外にあらずで、どうにもストーリーがせせこましくなるし、時間の使い方を持て余しがち。22時間の話なんだけど、主人公が敵に捕まって半日気絶とかね。
ところが、この映画の場合、「おいおい48時間の話だろうが!」とツッコミたくなるくらいに途中豪快に脱線するのがマジで新しかったです。でもそもそもこの映画のタイムリミットの設定自体、意味不明なんすけどね。
って訳で話の種に一度は観ておきたい映画かも知れません。 DVD買おうか悩み中。
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