『合縁奇縁』
ある時は『A級審判』ある時は『アナウンス』
本当はなにもの?
ホームページ最新月全表示|携帯へURLを送る(i-modevodafoneEZweb

2013年7月
前の月 次の月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新の絵日記ダイジェスト
2013/11/20 素晴らしいヨーロッパ遠征でした!
2013/11/14 今日は今年最初の忘年会だぜ!
2013/11/13 今回の全中選抜パンフはイラストだぜぃ!
2013/11/12 こー寒くなると鍋で日本酒がいいね!
2013/11/11 昨日の地震はシャワー浴びていたら気がつかなかった

直接移動: 201311 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 月  201212 11 10 9 8 7 6 5 4 月 

2013/07/10(水) 国際外交に絡む情報の流出事件を追って機内は騒然と・・・

このところ世界遺産の多い北欧は、日本人にとって人気観光国になっている。
機内を見渡しても観光客が圧倒的に多い。 そんな機内でひときわ異彩を放っている二人組が窪たちの隣に座った。チョチョシビレとサルマン・ハシミドフの二人だ
彼らはダークスーツに黒のサングラスをかけていて鈍く光るジュラルミンのケースを手にしていた。 分厚い胸板と丸太のような腕はスーツの上からでも見て取れるほどたくましかった。 このふたりは今も続く旧ソ連の元KGB出身で、訳あって日本の東光大学へ留学生として来日し、一定期間の諜報活動を終え帰国するところであった。

それぞれが自身の座席に落ち着き始めた頃、機内アナウンスが流れた。
「当機はただいまモンゴル・ウランバートルに向け出発準備中です。今しばらくお待ちください。」最近マイクを手にするようになったキャビンアテンダントのユイサ・カーノが流暢な日本語でニッコリと微笑む。 その笑顔を見て窪は三年前の夏の日を思い出していた。
5年生の夏、炎天下の中でサッカーに打ち込んでいたあの日・・・キーパーと1対1になって思いっきり放ったシュート ゴールは奪えたもののキーパーと接触し転倒した時に右腕の上腕を骨折してしまった。 救急車で運ばれそのまま三週間の入院を余儀なくされた。
ベッドで横たわる窪をにっこり微笑んで看護してくれたあの看護師のことを思い出していたのであった。
もっともあの怪我も今となっては「お母さんが沢山わがままを聞いてくれたから」といまでは悪い思い出にはなっていないようだ。また後遺症もなく元気にサッカーを続けている。

そのころロシアでは、ダイミョジノフがこの秋に行われる格闘技のチャンピオンズリーグとも言える格闘技国際大会の準備を進めていた。 ダイジョミノフはロシア格闘技界の大物でコマンドサンボや柔道の審判長もつとめた男だ。 豪放磊落な性格はウオッカを飲むと助長され、ダミ声を撒き散らし大立ち回りを演じる傍ら、緻密な計算と根回しに長けている男でもあった。 今回、この格闘技国際大会の裏に潜む本当の国家任務を遂行させるためにはうってつけの男である。

ウランバートルでも着々と準備が進んでいた。 レスリング日本代表の受け入れや、成晶国親方の新弟子探しに協力するモンゴル体育協会のカン・トク課長も部下のキザーシンとともにホテル回りを終え、昼食を取っているところだった。 近年、ウランバートルは急速に発展し、韓国や中国の企業が相当数進出している。日本からも大手が出資した企業も参入し、日本食のレストランやラーメン屋も乱立していた。 大食漢のカン・トク課長とキザーシンのふたりは愛車のボイジャーで日夜暴飲暴食したツケが回ってきたのか、ドクターに低カロリーの食事と飲酒の制限を言い渡されたのであった。 とは言え、日本からのお客様が来れば当然歓迎会となり、またもや暴飲暴食となってしまうのだろう・・・
そんな不安と期待が交錯しながら空港へ向けてハンドルを切ったのであった。


 Copyright ©2003 FC2 Inc. All Rights Reserved.