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2013/07/11(木)
今日、まちがいなく猛暑日の新記録になるわ クーラーのない拙部屋はやばい
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乗客が乗り終え、ウランバートル行きのAJA201便はタクシーウエイを走行していた。 飛行準備が整い、管制塔からGOサインをもらい滑走路を滑るように加速し、静かに機首を上げ上空へ吸い込まれていった。
機内では非常時における避難方法のVTRが流れている。 それがかえって初搭乗の由芽を緊張させ、糸のような目にさせているようだ。 その点、相変わらずハイテンションの吹季は初対面の乗客であるロシア人の老婆に大声で話しかけている。 イジマババビッチと名乗るこの老婆はかつて横須賀に住んでいたが、夫を亡くしたことをきっかけに母国であるロシアに帰国することを決めたそうだ。 その準備のため機上の人となっていることを理解するのに英語と日本語・ロシア語まで駆使して吹季はコミュニケーションをとっているのであった。 その騒々しさを憂慮したコーチの奥海が「あ〜静かにするように」と止めたが、相変わらずボリュームが低く、吹季の耳には届いていないようだ。
飛行機は水平飛行に入り、シートベルト着用サインが消え、機長の東見が現地の天候や気温などのアナウンスを始めた。 自衛隊出身パイロットでベテラン機長の東見は荒天などどこ吹く風、台風が来ても強引に着陸する男である。 ダメな時はタッチアンドゴーが身上だ。 太い眉毛は過去に8度も最優秀操縦士の称号を手にした自信から来ているようだ。
機内貨物室の静寂が破られデーブ・Kが額の汗を拭いながら準備を始めた。 0.8気圧程と、地上より低く設定のカーゴスペースでいつまでもゆっくりしてはいられない。 一方、今回のミッションのリーダーに就任したキカッチー・アンダビルはペンタゴンからCIAに移り特殊工作員として潜伏するために表舞台から消えていた。久しぶりの表舞台に武者震いするその手には自動小銃AK-47アサルトライフルが握られている。 その相棒、ザッキー・ヤマーは中東での反米勢力とのコックタイ決戦で傷つき、一時民間人になったが、体に流れる闘争血に嘘をつけず特殊工作員として戻ってきた男である。 そしてもう一人、アームレスリングの全米高校チャンピオンに輝いた実績でこの春に名門のトークスプリング大学に進学したものの、監督のタカサ・カーが食後のデザートとして楽しみ残しておいたマンゴープリンを無断で食べたことが明らかとなり、謹慎を受けカーの出身であるCIAで現在、再生プログラムを受講中にこのミッションに加わったのがブラックストーン・ザ・ジャイアントであった。
アメリカCIAから送り込まれた特殊工作員 キカッチー・アンダビル達4人は乗客の荷物を貨物室に入れる地上職員を装い、荷物とともにいとも簡単に機内に侵入したのであった。 もっともこの程度の活動は取るに足らない・・・朝飯前の4人であった。 そして・・・「いいね!準備は出来たね!」アンダビルの指示により貨物室から客室キャビンへと一行は向かうのであった。 この飛行機をハイジャックするために多くの武器を手に客室とコックピットの二手に別れてに向かうのであった。
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