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2013/07/12(金)
くっそー!昨日、猛暑日の新記録にならなかった!今日と明日はなるのにね
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ローアーデッキの前方部”前方床下貨物室”の天井部分を開け乗務員休憩室に到達したアンダビルたちはここから二手に分かれた。 キャビン前方に立ったアンダビルとザッキーが、乗客に向かいマイクを使ってアナウンスを始めた。「乗客のみなさん。当機は我々によってハイジャックした。手荒な真似はしたくない。素直に指示に従って欲しい。ただし、逆らう者には容赦はしない。」 八割の搭乗率なので、ファーストやビジネスの乗客を後方に移動させるため銃口を突きつけながら指示を出していたザッキーに一人の日本人乗客が噛み付いた「あんたたちね〜何すんのよ!ばっかじゃないのお!」と大声で喚き始めた。 名古屋に拠点を置く医療機器会社の社長夫人 尾理広子である。細身ながら長身でザッキーを見下ろすようにがなり立てる。 少し困った顔をしながら対処に苦慮しているザッキーとはうらはらに、音もなく近づいたアンダビルは閃光一発 無表情のまま心臓を打ち抜いたのであった。 悲鳴と怒号が飛び交う中、アンダビルが乗客に向かって「先ほどの警告通りよ。逆らわなければ手出しはしない。静かに後方に移動して」その冷静さと冷酷さはザッキーには持ち合わせていない。 これが二人の差なのであろうか・・・ 動揺しながら移動を始めた乗客の中に冷静な男が一人いた。 CC通信社のカメラマン 塩藤だ。 彼はなんとしてでもこの事件を画像に残したい・・その気持ちを抑えきれずコンパクトカメラをそっとポケットに忍ばせた。 本当は仕事で使うハイエンド・プロ用モデルの望遠で犯人の表情を捉えたかったのだが、この状況下では使えそうもない・・・
コックピットに向かったデーブ・KとB・ジャイアントのふたりは入口のドアをノックし、中へ入れるように要求した。 しかし、デーブの日本語は学生時代に日大に留学経験があるものの、滑舌が悪く何を言っているのか伝わらない。 なかなか相手とコミュニケーションが取れないデーブはしびれを切らし、120キロの巨体から繰り出すケリでドアを蹴破り侵入した。 狭いコックピット内に大男が侵入したため身動きが取れない。 「当機は我々のコントロール下に置いた!」とデーブが機長の東見に伝えるものの、舌っ足らずな英語で伝わらない 仕方なく今度は日本語で言ってみたが結果は同じだった。 しびれを切らしたB・ジャイアントがスパニッシュ訛りの英語で口を出すが、「アッパー」ばかりを連呼し、やはり伝わらなかった。 しかし、銃口を向けることが一番説得力があることに気づいたふたりは東見と副操縦士に睨みを利かしたのだった。 飛行機はすでに自動操縦に切り替えてあったのでふたりは立ち上がった。 「俺たちに手荒な真似をすると操縦するものがいなくなるぞ」と副操縦士がデーブに向かって言い放つと 「ヒャヒャッフ!」と大声で怒号を浴びせながら持っていた自動小銃で副操縦士を殴りつけた。 それを冷静に見ていた東見は「ヒャヒャッフ」・・・シャラップ! と言いたかったが、滑舌が悪くヒャヒャッフになったんだな・・・このデブは。と少しずつ闘争本能に火がついてきた自分を抑えていたのであった。
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