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2013/07/06(土)
機上で繰り広げられるアメリカの機密情報が絡む大作がスタート
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成田空港:北ウイングの9:45発モンゴルウランバートル行き204便の出発搭乗口待合室は八割の搭乗客で賑わっていた。
二度目の日本代表として遠征するエ郷甬┐倭瓩C皀魯ぅ謄鵐轡腑鵑蚤召梁緝修僕蹐鵑任い襦C呂靴磴「垢「任曚C両莎劼北堆任「CC訌阿縫魁璽舛留アい「笋鵑錣蠅叛「靴討い襪氈セ爾シ「気^甬┐砲脇呂C覆い茲Δ澄」 そのはしゃぎっぷりを尻目に緊張のため目を細めている由芽。 これは遠征の緊張ではなく、初めて乗る飛行機にたいする不安である。
ファーストクラスにはあえて搭乗せず、エコノミーで移動する成晶国親方は根っからの倹約家だ。付き人兼通訳の朝柊龍は憧れていたファーストクラスに乗れず、少々気持ちは沈んだが、久しぶりに母国の地を踏むことに高揚し、差し引きしても浮かれていた。 成晶国親方は、現役を引退後に高田部屋付き親方となり、その後に獅子部屋を経て8年前に年寄株を取得し、金子部屋を杉並に興した。資金繰りに難はあったが多くの弟子たちを育て上げ、若くして名伯楽の呼び名もあった。今回はモンゴルで新弟子をスカウトするため、付き人兼通訳の序二段・朝柊龍を伴いモンゴルを訪れようとしていた。 また、成晶国親方の長男が角界デビューを果たすことになり、ちょっとしたニュースで取り上げられたが、かつての若貴の時代とは違い地方紙にベタ記事で載っただけだった。 その長男は若貴とは違い、あえて自身の部屋には所属させず、三重県の名門 座文繰部屋の門を叩き、現在の各界を席巻する勝加地親方に身を預けたのであった。長男を手放した寂しさを紛らわせるためか、多くのモンゴル力士を入門させ一大勢力としたい親方は、現地コーディネーターでモンゴル体育協会課長のカン・トクに有力力士の情報依頼をしていたのであった。
今回が初めての海外体験になる井上タカピロは、少々不安に駆られていた。 大学で第二外国語としてモンゴル語を勉強しているものの、モンゴル人と話したのはシェアハウスで一緒のアパートメントに住むモンゴルからの留学生メ・タマムーだけである。 そのメは夏休みを利用し留学後初の帰国である。今回、タカピロのガイド役でもあり講師でもあるメは宿泊や交通手段の世話までし、ある種のツアコンなのであった。ただし、それも到着後三日間だけで、そのあとはタカピロ一人でバックパッカーとして一ヶ月放浪する予定である。食べ物に好き嫌いの激しいタカピロは不安と期待の中、出発を待っていた。 そのシェアハウスを世話するのが雲丹田ゆか。夫と別れ女手一つで二人の子供を育てている。昼は歯科技工士として働き、朝晩はシェアハウスで学生の面倒を見ながら二人の子供を小学生に通わせている。辛いこともあるが役に立たない夫といるより、元気な学生といる方が前向きに生きていかれると捉え、笑顔で学生に接している。今回のタカピロの旅も一番親身になって相談に乗ったのがゆかだった。「お土産はいらないからね!元気で帰ってくるのが一番のお土産だよ!」とベタなセリフで送り出したゆかのおでこは梅雨明けの眩しい光が綺麗に反射していた。
搭乗待合室でひときわ大声ではしゃいでいたのがおばちゃん三人旅の面々。 フラのサークル仲間である三人はモンゴルを経由し、モスクワへ向かう予定である。 梶子は「あの地上アテンダントの制服、みっともなくて見てられないわ!」と毒づき、朗子はこの時間からすでにビールを4杯も平らげ上機嫌「そ〜そ〜そ〜ほんとよね〜」といいつつ「ここのビールはさ〜税金かかってないから安いのよね〜もういっぱいだけのんじゃお!」とすでに居酒屋状態 一緒にはしゃいではいるものの最年長の千兆は半分寝ている様子だ。
このあとも続いていく・・・このメンバーが搭乗した飛行機で繰り広げられるサスペンスアクション長編に乞うご期待ください!
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